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Marathon. Women.

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熊谷正寿 Masatoshi Kumagai
1991年ボイスメディア(現GMOインターネットグループ)設立。「すべての人にインターネット」を合言葉に、ドメイン登録、サーバー提供、ネット銀行、証券・外国為替証拠金(FX)取引、暗号資産取引所の運営など、生活やビジネスに不可欠なサービスを幅広く提供。現在は上場企業11社を含むグループ122社を率いる。
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世界各地にファンをもつジュリアン・オピー。その作品を世界でもっとも数多くコレクションするのがGMOインターネットグループ代表の熊谷正寿であることをご存知だろうか。熊谷にオピーを教えたのはファッションブランド「パーソンズ」のオーナーである故・岩崎隆弥だ。博学な岩崎からライフスタイルの多くを学んだという熊谷は、アートもその一つだと振り返る。
「ただアートとの最初の出合いそのものは、父が経営するパブに飾られていたアンディ・ウォーホルの《マリリン・モンロー》に幼心ながら心惹かれたことかもしれません。働き始めて最初に購入したのはフランスの画家、ベルナール・カトランのポスターです。その後に起業し、事業が軌道にのってきてから本物のアートを買うようになりました。ジュリアン・オピーの作品も岩崎さんから紹介されて購入したと記憶しています」
熊谷から始まるこのコレクターたちのインタビューでは、彼らからオピーへの質問(頁下)を掲げる。熊谷は常に業界におけるトップランナーであり続けることで、最も良質なサービスを提供できると考える。質問でも同様に一番であることの意味を投げかけた。そしてコレクションを重ねながら、アートコレクターとしてもルーブル美術館や大英博物館を超える一番の存在になるための可能性を考える中で、オピーの作品に集中することを決めたという。なぜオピーなのかを尋ねると、やはり人間がもっとも複雑な存在だからだと熊谷は切り出す。
「森羅万象、複雑なものは無数にある。なかでもやはり人間がもっとも不可解な存在です。オピーはその人間をシンプルに描きますが、それはまるでインターネットのようです。非常に複雑な画面も、原点に立ち返ると0と1で構成されているにすぎない。その二つを演算することで世界を構築している。オピーも対象をシンプルに捉えながら複雑な世界を描きます。両者に共通するものがあるように思え、本能的に魅力を感じるのです」
熊谷はときにその膨大なアートコレクションを一般公開するほか、大阪・関西万博にも所有するLED作品を出展した。新たなディスプレイを用意し、作品のリサイズについてもオピーと打ち合わせを重ねた。他にも音楽フェスを開催するなど、文化発信が会社のアンチエイジングにつながるという信念をもつ。
「私たちのサービスにも感性が必要です。私は、美しいコードを書くエンジニア、美しいウェブを構築するクリエイターを尊敬しています。彼らの感性はアーティストと変わらない。だからこそ、日々本物と触れてもらいたい。アートで満たしたオフィスを作ることで、私たちも美しいサービスを提供したいのです」
親愛なるオピーへ
― あなたの作品制作においてこれからやってみたい “世界一” はなんですか?
オピー:世界一になることや新しいことにはまったく興味がないんです。すでに存在するものを見つめ、本質を掴み取り、その過程を鑑賞できる対象へと昇華させる方法を探っています。世界は日々変化し続け、それだけで十分だとも感じます。この世に存在する既知のもので、そして自分の知っているやり方で、遊び、混ぜ合わせ、組み合わせを変え、それがしっくりくるまで続けます。それらの工程を助けてくれる技術は、VR、AI、LEDなど新しいものから、モザイク、石彫、ビーズなど古代のものまでなんでも使います。

100点を超えるオピーのコレクションのほとんどは、二つにまたがる本社に所蔵。VIP応接室壁面に設置した映像作品《Gulls, Bamboo, Carp》は、3.2メーターに及ぶモニターに、カモメ、竹林、鯉のアニメーションが流れる。こうした大型作品はコミッションワークで、現在は4点所有。静謐な会議室に動的な作品を展示するコントラストが魅力。

第2本社のVVIP会議室の壁面に設置された作品。いずれも人名をタイトルとしており、左から順に《Jade》《Mark》《Stephanie》《Fabian》《Julia》。直線を基調とするフレーミングによる人物が並ぶ。壁の素材を反転させ、木材と大理石で制作されたコミッションワーク。大きな彫刻が連続する姿は独特の迫力がある。

本社は白を基調に、ガラスを多用したミーティングルームが多い。各室や廊下に設置された作品が時にリフレクションし、さまざまな形で目に飛び込む。右側の壁面に飾られるモザイクタイルを用いた作品2点は左から《Flight attendant. 1.》《Taxi driver. 1.》。職業名をタイトルとし、都市を生きる現代の人々の生活を描く。

作品を社内の至るところに設置し、社員が日常的にアートと触れられる環境を用意。手前の待合壁面に飾るのは、オピーのユーモアを感じさせる、データ名をそのままタイトルに用いた《_OMP3045.jpg.ai.》。奥の打ち合わせスペースは円形のシルクスクリーン作品《Ann,dancer. 1》。さまざまな時期の作品が並ぶので変遷も見られる。

本社VIP受付前に設置されたブロンズフレームの《Telephone.》。スマートフォンを片手に、スリットが入るタイトなワンピースに身を包んだ女性は都会を生きる人物像を伝える。熊谷が特に気に入っている作品の一つ。建築家の中村拓志の空間設計による大理石を用いたミニマルな空間で、黒いフレームの作品は強い存在感でゲストを迎える。

会議室の壁面に設置された10連の作品からなる《Watching Suzanne (front)》。一見すると同じ絵柄のように見えるが、コマ撮りアニメのようにすべてに動きが異なる。連続して見ることで、鑑賞者は人の動きを想像する。同じ連作シリーズで背面を表現した《Watching Suzanne (back)》も別室に展示しており、見比べる楽しさもある。

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林真理子 Mariko Hayashi
日本大学芸術学部卒業後、コピーライターとして活躍。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』がベストセラーに。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で第94回直木賞受賞。現代小説、歴史小説、エッセイと、幅広い作風で活躍する。2018年には紫綬褒章受章。
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数多の物語で人々を魅了する作家、林真理子。人を描き続けてきた林を魅了したのがジュリアン・オピーの作品だ。見る角度で絵柄を変えるレンチキュラー印刷を用いたユニークな作品を事務所に飾る。都市を生きる人々が身を包むファッションは現代の風俗を示すもので、林の作品の現代性ともどこか通ずるだろう。オピーとの出合いは帝国ホテル。ふと目に飛び込んできた作品に惹かれ知人に告げると、オピーが日本で所属する「MAHO KUBOTA GALLERY」を紹介される。するとロンドンのアトリエに一枚だけ譲ることのできる作品があると伝えられた。
「それまで事務所に水彩画を飾っていたこともあり、空間の印象は大きく変わりました。人が動き、街が動き、空気が動いている。まるで部屋のなかに雑踏が生まれたかのようでした」
それまでコンテンポラリーアートに惹かれることはあまりなかったというが、オピーの作品は違った。作中の左の女性が娘に似ていると訪れた人々によく言われると笑う。「私はまったく意識していなかったのですが、たしかに洋服の感じもそっくりかも」。アートにはまったく詳しくないと謙遜するが、まさに娘が生まれた年には奈良美智の作品も購入している。
「奈良さんのはじめての画集が出たタイミングで、編集者を通じて紹介いただきました。吉本ばななさんの作品で装丁に使われているのも見ていて、とても素敵だったので」
林のコレクションはさまざまな縁から生まれる。たとえば川内理香子の作品は審査員として参加したアーティスト公募プログラムで惹かれたもの。和菓子店「桃林堂」で催される東京藝術大学の卒業制作展でもしばしば作品を購入してきた。自著の装丁に用いた作品も所有する。一方で現在理事長を務める日本大学の自室には、千住博や櫻井孝美の絵画を持ち込んだ。
「千住さんの作品には静謐さ、櫻井さんの作品には光を放つような力を感じます。たとえ成功しても、絵の一つも飾っていない家はさみしい。人生を前向きに過ごすためにアートは大切な存在です。小さな絵でもいい。投資目的とかでなく、ただ素敵だなと思ったものを雑多に飾っているだけなんです」
これらの作品に混じり、ギャラリーから送られてきたオピーの個展を知らせる葉書も大切な存在。「女性が浮かび上がる仕掛けの葉書で、あまりに美しかったので理事長室に飾っています。私は同じ作家を追いかけるタイプではないけれど、オピーさんの作品とはまた出合いたいですね」。直感的に美を捉え、その感性に素直に従うチャーミングな人柄。だからこそ林が次に出合うアートもまた、特別なものになることだろう。
親愛なるオピーへ
― 小説は風俗を入れると古びると言われますが、あなたの作品においても洋服が古びることなどを考えたりはされますか?
オピー:時代遅れになるのはいやですね。作品が当時は受け入れられていたのに、今となっては無関係であることを意味するからです。でも、作品から時代を特定できること自体は、私と周辺の世界との繋がりを示してるので、構いません。全体的な計画や意図がない場合、作品を一般的なものにすることは不可能で、私に関してはそれはできないんです。できることは見たものを描くことでしかなく、細部そのものより、観察に宿る真実こそが不変であることを願います。携帯電話やタバコ、洋服の流行はすぐ時代遅れになりますが、観察し構成するという根底にあるプロセスは意味を持ち続けます。比喩であれ抽象であれ、時代を超越しようとする試みは無駄で、プロパガンダにもなりかねない。とはいえ、電気タバコや電動スクーターは描きません。何事にも限界はありますから。

林は、自身にもっとも身近なアートとして自著の装丁を挙げる。
なかでも気に入っているのが、源氏物語を大胆に解釈した『六条御息所 源氏がたり』。デザイナーの木村裕治がヌードフォトで知られるウィンゲート・ペインの写真を用いてデザインした作品。使用する紙にもこだわり、紗がかかったような表情が物語への期待を高める。また、事務所には金子國義のイラストや松本清張による帯の直筆など林の作品を彩ってきた数々、旅先のネパールで買い求めた曼荼羅なども飾る。

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木本優 Yu Kimoto
クリエイティブエージェンシーを経て、2014年にPLAY、16年にFLAGを創業し、数々の企業のデジタルクリエイティブやコンサルティングをサポートする一方で、06年頃からコレクターとしても活動。24年にコレクターが集う「CLTV STUDIO」を始動。26年春には、コレクター向けの新しいコレクション管理プラットフォーム「CLTV」の提供を予定。
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1990年代に東京・裏原宿から発信されたストリートファッションはいまなお、世界に大きな影響を与えている。音楽やアートと接続することで発展した独自のクリエイティブシーンに薫陶を受けたと語るのが、アートコレクターの木本優だ。アーティストのKAWSが運営に携わったショップ「オリジナルフェイク」で購入したフィギュアをフルコンプリートしたことからそのコレクションは始まった。やがて作品は絵画や彫刻へと広がる。
「イサム・ノグチやシャルロット・ペリアンなどの家具も収集するようになり、そのうち壁の空白が気になりはじめました。アートを飾ると面白いという意識も、当初はファッションをコーディネートする感覚に近かったのかもしれません」
所有するのはジュリアン・オピーの初期作。1991年に「Kohji Ogura Gallery」で行われた個展で発表した作品だ。
「それまでは作家のアイコン的な作品を購入していました。しかし、この作品との出合いで意識が変わった。いまと作風が異なるのに、現在の作品と通ずる何かを感じました。オピーのアートでは人物はアウトラインで象られ、風景はフレーミングされますが、初期作と出合って、内と外の関係という視点が彼の作品の根底にあるのではないかと考えるようになったのです」
これまでのアーカイブを辿りながら、初期から現在までの作品や思考の遍歴に思いを馳せた。過去の創作に目を向ける楽しみは、木本のコレクションに大きな転換を与えた。
「活動を続ける以上、これからも作家は進化していく。物故作家のように全貌が見えている作品ではないからこそ楽しい。時代や社会が移ろう中で作品もグラデーションのように変化し、僕もまた同じ時代を生きている。作家の一挙手一投足を同じ時間のなかで見られることがなにより贅沢な体験です」
その上で手法は変わっても、オピーに貫かれる強い視点は変わらないという。だからこそコンセプチュアルな作品に取り組み続けられるのではないか。さらに木本は、オピーのアートは平面で表現されていてもきわめて空間的だとも語る。
「常に奥行きを意識しているのではないでしょうか。ホワイトキューブでは作品のミニマルさが際立ちますが、リアルな空間や都市にインストールされると、両者の対比によってまた別の魅力が見えてくる。そして、そこに物語性を見出す人もいれば、ポップでかわいいと感じる人もいるでしょう。その許容力も含め、どの環境でも作品性が立ち上がる作家は非常に希有な存在。なんといってもオピーのアートは、人の目を惹きつける力そのものがありますから」
親愛なるオピーへ
― タイムマシンに乗れたとして、20年後の自分を見に行ったときに、何を作っていると思いますか?
オピー:何をやろうと、結局似たような結果にたどり着くことが多いんです。違うものを作りたいと焦ることも多いですが、どの方向に進んでも、それはかつて通ってきた道だと気づきます。変わっているのは自分の視点とリソースと周りの環境。異なる道具で同じ手品を何度もしているような感覚です。ときどき、この質問の逆を考えることがあります。学生時代の自分が今の作品を見たらどう思うか、と。彼が認めてくれることを願っていますし、作品と根底にある活動を理解してくれると思います。制作はとても楽しく、日々のほとんどの時間を費やしています。そして、20年後も同じ気持ちであり続けたいと願っています。

木本が所有する1989年にオピーが制作した《6.75 x 169 x 10.5 cm.》。フレームとガラスによる建築的な作品に合わせ、丹下健三がデザインした椅子を置く。所蔵場所は、ローレンス・ウィナーや宮島達男など自身のコレクションをシェアすることで偶発的に同志を増やすべく予約制で解放される、木本のオフィス兼ショールーム「CLTV STUDIO」。

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AKI INOMATA
アーティスト。武蔵野美術大学客員教授。生き物とのコラボレーションにより作品を制作。MoMA、金沢21世紀美術館など国内外の美術館に収蔵され、「バンコク・アート・ビエンナーレ2024」「あいち2022」など国際的な展覧会にも参加。背後の作品はロンドンのスタジオで撮影されたINOMATAをモデルとした作品《Aki.》。
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国内外で活躍するアーティスト、AKI INOMATAが所有するのはジュリアン・オピーによる自らのポートレート作品だ。彼女もまた、オピーが日本で所属する「MAHO KUBOTA GALLERY」に名を連ねる作家の一人。当該のギャラリーから届いたメールをきっかけに、オピーがINOMATAの作品に興味をもったことで交流が始まる。ロンドンのスタジオを訪ねた際には、オピーが彼女の写真を撮影。「作品ができたら連絡をする」という言葉を夢のような気持ちで受け取ったが、やがて本当に作品の写真が届いた。
「まず、似ている! と思いました。これまでのジュリアンさんの作品でモデルになった人々にほとんどお会いしたことがないですが、私自身が作品となったことでここまで似ているのかと驚きました。写真をもとにはしていますが、それをトレースしただけでこうはならない。ここまでシンプルにそぎ落とし、記号化しても匿名の人物ではなく個人が表現されていること、その完成度に驚きます」
INOMATAがその作品を所有したいと相談すると、作品を交換しようと持ちかけられた。INOMATAの代表作の一つ《彫刻のつくりかた》はいま、オピーのスタジオに並ぶ。
「私はポジティブな姿勢をもつ作品に惹かれます。ジュリアンさんの作品は多面的で、とても言葉だけで語れるものではありません。けれど非常にポジティブで、都市的で、現代の空気をまとう作品です。いち早くデジタルツールを用いた作家であり、いまも新たなテクノロジーを用いて制作に取り組む姿勢はとても自然で力みを感じません。それでいてあくまで市井の人々の日常を描く。彼を見ていると現代アートっていいなと思います」
INOMATAもまた、制作にデジタルツールを援用する。2020年から取り組む《昨日の空を思い出す》では写真に撮影した空模様を3Dに変換し、プリンターで出力。一方で現代的な技術はあくまで表現手段であり、作品のメッセージに重きを置く中で、デジタル技術を用いた表現にいち早く取り組みながら、常にトップランナーとしてメッセージを発するオピーに尊敬の念を抱くという。
「とても自然体な人。日々の暮らしや家族の話で盛り上がったのですが、特に印象に残っているのはイースター島など世界各地を旅する話です。私はヤドカリをモチーフとする作品を制作しています。そのこともご存じで、南の国で撮影したヤドカリの美しい写真も見せていただきました。都会的なイメージをもっていましたが自然を愛する人。いろいろな景色を平面化する力がずば抜けているとともに、何気ない時間の蓄積を作品に感じます。人に対しても同じようによく見ているからこそ、あれだけミニマルなのにその人らしさがにじみ出るポートレートが生まれるのでしょう」
親愛なるオピーへ
― あなたの作品は、同じシリーズでもアップデートしていきますが、なぜそれが成せるのでしょう?
オピー:私は作品をシリーズで制作する傾向がありますし、その前提で制作します。それは大抵ちょっとした観察や、現実世界、そして古代から新作まで、さまざまなアート作品を見て生まれた疑問が発端です。これが数ヶ月におよぶ生活プロセスのはじまり、そこから数十、数百の作品を生み出します。サーフィンするように波に乗っている間は手が届く範囲でできるだけ生み出そうとしますが、ある時その波が突然過ぎ去ってしまったことに気づきます。振り返ることはありません。過ぎ去ってしまったものは、そのままにしておくのが最善だからです。しかし、それらの波はどれも似ていて、私はただ新しい素材やイメージ、テクノロシーを用いて、同じことを繰り返していると気づくのです。

INOMATAが2022年から発表しているアートプロジェクト《昨日の空を思い出す》の新作。独自に開発した3Dプリント技術で、ある日の雲の形を飲用液体中に再現する。コロナ禍において、INOMATAが「昨日と同じ今日は来ない」と強く感じたことから作品に発展。雲といううつろいゆく存在を形に留めるが、この雲はやがて液体と混じり合って消えていく。他種との協働から作品を生み出してきたINOMATAにとって新しい境地でありつつ、これまでの作品に貫かれる眼差しはかわらない。