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GINZA SIX EDITORS

ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。

A Claim Set Before the World: Rediscovering Japan’s Pride and Beauty

岡村 佳代

オープン以来何度訪れても、その都度何かしらの新しい発見があるGINZA SIX。仕事モードをギンギンにオンにしてリサーチしてしまうラグジュアリーブランドのブティック、完全オフモードで美食を楽しむレストラン…。そんななか、ふと気がついたんです! あらゆる分野の、一流の、「日本の誇り」と一気に邂逅できるということを。

食いしん坊の私。正直に告白すると出没率がいちばん高いフロアはB2Fなのですが、よほど時間に余裕がないとき以外は、ジュエリーブティックが立ち並ぶ2Fをパトロール(笑)しています。現在、いい歳して今さら感いっぱいなのですがピアスをあけようと真剣画策中なので、マイ・ファースト・ピアスの大本命・ジャパンメイドのジュエリーブランド「AHKAH(アーカー)」へ!

1997年に設立された「アーカー」。世界の名門ジュエラーと比べたら、まだまだその歴史は「若い」かもしれないけれど、繊細さと大胆さを併せ持つ独特のセンス、ジュエリーメイキングで、幅広い年齢層の女性から愛され続けています。

ピアスを探す前に、ものすごい引力で惹きつけられてしまったのが、いくつものネックレスがまるで1枚の絵画のようにディスプレイされたコーナー。光がまっすぐに伸びていく様を一本のラインで表現した「ティナラインパール ネックレス」や、緩やかな弧を描く曲線にダイヤモンドをセッティングした「ダイヤモンドユー ネックレス」(以下全て税抜価格 ¥94,000~¥310,000)――ひと言、「心から欲しい!」。仕事柄、高価なハイジュエリーを手にする機会が多いため目が肥え過ぎて、「自分で買える値段のものはいらない病気」をこじらせていたはずなのに!

まったく予定していなかったネックレスを大人買いしてしまいそうな衝動をどうにか抑えて、「マイ・ファースト・ピアス探し」という初心に立ち返りました。「アーカー」といえば、デリケートなモチーフや個性的なフォルムのフープピアスが私のイメージ。すぐに「めっちゃ好みのタイプ?」を発見してしまいました!

K18イエローゴールドのフープに、パールをアシンメトリーにあしらった「バブルフープ ピアス」(¥168,000)。すべての製品が日本で、熟練の職人さんたちによってつくられている「アーカー」ならではのノーブルさと、マダムになりすぎないみずみずしい感性が融合して、顔周りをパッと華やかに彩ってくれます。ハイ過ぎるハイジュエリー(笑)に、ある意味毒されて罹患していた「自分で買える値段のものはいらない病気」は、「アーカー」のお陰ですっかり治ってしまいました。「絵に描いた餅」に溜息つくだけではなく、ときには本気で「手に届くラグジュアリー」! 自分にご褒美をあげてしまえ!

勢いづき、そのテンションのまま向かったのは、5Fにある「セイコ―ブティック」。3月にスイスのバーゼルで開催されたフェアで発表され、私も原稿を熱く書かせていただいた「グランドセイコー」のレディスモデルの新作がずっと頭から離れずにいたので。

残念ながらバーゼル発表の限定モデルとの再会は叶わなかったのですが、日本初のセイコーブティックとしてオープンした、「グランドセイコー」とセイコ―ブランドのみを取り扱う、専門店的な位置づけのこちらのお店。常時300点以上取り揃えているという豊富なラインアップは圧巻です! 私が数年越しに思いを温めている「グランドセイコー」も、様々なバリエーションが揃い誘惑をしてきます(左・中央/40面カットが施されたK18ホワイトゴールドのベゼルが美しいステンレススチールブレスレットのタイプ 各¥600,000 右/シンプルなベゼルとさりげないダイヤモンドインデックスのコントラストが大人可愛いクロコダイルストラップのタイプ ¥300,000)。

今、心惹かれるのが、綺麗な色のストラップ! 鮮やかなレッドのクロコダイルストラップにクールなステンレススチールケース、マザー・オブ・パール文字盤のひと匙のエレガンスが絶妙なバランスを奏でます。

思えば私が時計と、時計の仕事を好きになったのは、小学校入学、高校入学と、節目節目に父がセイコーの時計を買ってくれた経験が礎になっているのかもしれません。それを考えると、来年大学生になる(予定)の姪に、ちゃんとした時計をプレゼントしたいなと思い至り、「セイコー ルキア」をチェック。

とても親身になって相談に乗って下さったのは、笑顔が美しい店長の瓜生さん。このホスピタリティこそ、「セイコーブランド」だと改めて実感しました。愛する姪が、大学生から社会人になっても、長く使える時計――「セイコー ルキア」は第一候補です! 来春、無事に合格して、姪と一緒に選びに来られますように。

私的GINZA SIXクルージングに欠かせないもの――それは「美食」です。和食が死ぬほど好きなので、B2Fの「刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り」や「くろぎ茶々」の鯛茶漬け、13Fの「てんぷら山の上 Ginza」、「つきじ鈴富」etc…、そう、ここはワンダーランド! 今日のランチはちょっぴり贅沢して、「つきじ鈴富」のお鮨で自分にご褒美。なんだかずっと「自分にご褒美」している気がするけれど。

銀座の、しかもGINZA SIXのお鮨屋さん! なんて敷居の高さエベレスト級くらいに思っている人いませんか? かくいう私もそうでした。

こちらは築地のまぐろ専門仲卸「鈴富」直営の本格江戸前鮨店。築地場外、紀尾井町のホテルニューオータニ店に続き、満を持して銀座にオープンした3店目のお店です。こんなふうにインテリアが洗練されていてラグジュアリーなのだけれど、人間味のあるホスピタリティで、とても雰囲気が温かいのです!

今日は貸切の個室カウンター(6人まで・個室料あり・要予約)でランチのメニュー「羽衣」(¥5,400)をオーダー。前菜、一品料理、鮨7貫、巻物1本、お椀でこのお値段! エベレスト級なのはコスパの高さでした。日本全国から築地に集う旬の美味から目利きが選りすぐったネタに、プロの「仕事」が施された鮨は目にも美しく、五感のすべてに訴えかけてきます。

これは季節の名残の富山の白海老にウニをあしらった軍艦巻き。白海老とウニのまったりとした甘さと食感のグラデーションに感服!

自家製の玉子焼き、これがまた格別の美味しさ! スフレのような滑らかな口どけで、思わずおかわりをしたくなるのをグっと自重。

クライマックスは、やはりまぐろ。青森の天然まぐろの、赤身、中トロ――「つきじ鈴富」の矜持が、このまぐろに凝縮されているように感じます。

鮨だけではなく、一品料理も充実。揚物の「鱧うに巻」(¥3,000)は、あっさりした鱧と濃厚なウニのコントラストを、サックリと揚がった衣でひとつにまとめ上げた逸品。

ジュエリー、ウォッチ、そしてお鮨――分野は異なれど、日本の「匠」、「粋」、そして「美意識」をあますことなく体感したGINZA SIXでの幸せな時間。2020年に向けてきっと、もっと進化を遂げていくこの空間を、心から楽しめる大人であり続けられたらいいな。

Text:Kayo Okamura Photos:Sachiko Horasawa(CROSSOVER) Edit:Yuka Okada

GINZA SIX EDITORS Vol.48

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岡村 佳代

ジュエリー&ウォッチジャーナリスト。東京都出身。大学在学中から『JJ』の特派記者として執筆活動を開始。その後フリーランスとなり、『LEON』、『STORY』の創刊などにも携わり活躍の場を広げる。時計専門のムックの編集・執筆に携わったことをきっかけにその魅力に開眼。『Precious』などの媒体を通して女性に機械式時計の魅力を啓蒙した第一人者として知られ、バーゼル&ジュネーブの時計フェアの取材歴は女性ジャーナリスト屈指のキャリアを誇る。
Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中

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2018.07.13 UP

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