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GINZA SIX EDITORS

ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。

A Place to Find Something Special

田中 杏子

話題のGINZA SIXには、『Numéro TOKYO』でも普段からお世話になっているブランドの多くが、ショップを構えています。そんな中で、今回はテイストの異なる3軒をピックアップさせていただき、ぶらぶらしてきました。

まず、足を向けたのはセレクトショップの「PARIGOT」。以前に丸の内店で行われたスタイリストの祐真朋樹さんとのトークショーに呼んでいただいたことがあって、そのときにも強く感じたのは、流行りのブランドの寄せ集めではない地に足のついた品揃えが、他のセレクトショップとは明らかに一線を画しているということ。なぜか? 「PARIGOT」は広島県尾道からスタートし、福山や広島市内、岡山や松山にもショップを拡大しながら、数年前に満を持して東京に進出されました。そうした着実な歩みの中で、お客様のリアルなニーズと向き合ってきたセレクトだからこそ、欲しいものが必ず見つかるんです。

ちなみにこの日、鮮やかな発色に惹かれて思わず購入したのは、PARIGOTオリジナルのプリーツスカート。試着の末、赤にしようかピンクにしようか散々迷って、結局は後者を購入しましたが、お値段を聞いたところ、それでも13,000円! 2色買いでもお財布への負担はさほどありませんね。

高価格なラグジュアリーブランドでこうしたビビッドなカラーを買うのは少し勇気が必要かもしれませんが、私はブランド名だけにこだわらず、カジュアルな価格帯でファッションを彩ってくれるようなアイテムを取り入れるのが、好きだったりします。

他にも女性の友人や部下へのギフトに喜ばれそうなちょっとしたピアスやイヤリングが2000円台から(私は両耳でも片耳でも楽しめるピアスを購入)、GINZA SIX店特設のデニムコーナーで見つけた「AALTO」のフロントプリーツのデニム(39,000円 以下全て税抜価格)は、私のようなデニム好きがさらに欲しい一本でもあります。

続いて訪れたのは「ebure」。2017年の春に本格スタートしたばかりの新しいブランドで、GINZA SIX店が1号店になりますが、先日初めて展示会に伺ったところ、上質な素材とパターンの秀逸さに驚かされました。

実際に着てみると、ご覧の通り、ベーシックをベースにしながらも大人の女性の身体を美しく、立体的に見せてくれるフォルムのお洋服ばかり。聞けば、デザイナーが女性というのも、頷けます。しかも、こだわりの仕立てに対してプライスが良心的。例えば試着したチェックのジャケットは95,000円、スカートは32,000円。企業努力を感じずにいられません。

店内にさりげなく置かれた写真はインハウスのアート担当者がブランドのイメージに合うものを自ら撮影したものをディスプレイしているそうで、そんなどこか肩の力が抜けた大人のスタンスは、そのまま客層や服作りにも通底しているように思います。

そして、最後に立ち寄ったのは「KENZO」。GINZA SIX店は館のスケール感を活かしたフラッグシップショップで、開業時に行われたオープニングイベントは、NuméroTOKYOとして、コラボレーションをさせてもらいました。

ここではKENZOを象徴するタイガーのモチーフがキラキラと配されたクリスマス限定のカプセルコレクション、子供服(店頭には並んでいませんが、スタッフの方にリクエストすると、奥から出してきてくれます)、キッズサイズのリュック(¥23,000)をチェック。実は10歳になる私の娘もKENZOのタイガー・トレーナーの愛用者。私ももう少し若かったら、トライしたいところですが(笑)。

ちなみに、現在のクリエイティブディレクターのウンベルト・リオンとキャロル・リムの二人が生み出すKENZOは、高田賢三さんのアーカイブや日本への眼差しを引き継ぎながら、今の時代やムードといい関係を築いているように感じます。例えば2017年の9月に行われたパリのファッションウィークでは、ランウェイのショウ会場が、広島の神楽団が演じる八岐大蛇(ヤマタノオロチ)の舞台となり、私たちのみならず世界中のエディターに思わぬFUNを与えてくれました。

なお、今回訪れた3店以外にも、食器やヘア飾り、インテリア小物に至るまで、ファッションからライフスタイルまで、私のハートを掴むブランドが軒を揃えていました。GINZA SIXは、流行も定番も大好きな私のような大人が、改めてワクワクする服やアイテムに出会える場所なのですね。みなさまにもぜひ覗いて見てほしい場所です。

Text:Ako Tanaka Photos:Wataru Fukaya Edit:Yuka Okada

GINZA SIX EDITORS Vol.17(Women’s Fashion)

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田中 杏子

『Numéro TOKYO』編集長。ファッションスタイリスト。高校卒業後、1985年に単身イタリア・ミラノへ。デザイン学校でデザインやパターンをはじめファッションを学び、現地のスタイリストやファッションエディターのアシスタントを経て、1991年に帰国。『流行通信』『ELLE JAPON』の契約スタイリストを経て、『VOGUE NIPPON(現在のVOGUE JAPAN)』創刊時よりファッションエディターとして参加。2007年に『Numéro TOKYO』創刊。編集長業務以外に、同誌ファッションページのスタイリング、他ブランドのアドバイザーやディレクションなども行う。著書に『AKO’S FASHION BOOK』(ベストセラーズ)。
Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中

2017.12.13 UP

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