Crystal-Clear Emotion 澄んだサウンドがもたらす感動を
DEVIALET
Lifestyle
2018年にCEO に就任したフランク・ルブシャールが「デビアレ」の名前を意識したのは、自分がそのブランドに関わることになるとは思ってもいなかった1年前のことだ。エンジニア、デザイナー、起業家の3名が革新と音楽の感動を求め、オーディオ業界に革命をもたらそう! と2007年に創業されたデビアレ。8年後に彼らが世に出したのが、画期的なワイヤレス・スピーカー“ファントム’’である。音が潰れず、歪みもなく、不要な雑音がない素晴らしいパフォーマンス。オーディオ業界の常識を打ち破る商品、と絶大な評価を得た彼らは、アジアへの進出を含め国際的な規模の企業へと発展させるべくフランクをCEOに迎えた。
「僕のファントム初体験はブティックのリスニングルームをガラス越しに覗いて、音楽を聴く人を外から眺めたことだったんですよ。人々の表情が変化して行くんですね。驚きがあり、次いで気持ちが和らぐのが見えて、そこには感動が読み取れました」
クオリティーとパーフェクションを求める日本人と仕事をすることで自分たちも高められると語るCEOのフランク・ルブシャール。
右手前が人気のワイヤレスイヤホン“デビアレ ジェミニ” ¥41,800
その後、自分も中に入ってお気に入りのデヴィッド・ボウイなどを聴き、コンサート会場にいるような気分に浸った。その音質の良さ、力強さ、驚くほど小さなボティ、優れたデザイン。デビアレの名はかくして彼の頭に刻まれることになったのだ。
「朝目覚めた時、自分は素晴らしい商品を売るのだとわかっている。これは快適ですね。以前ゴーモン・パテという映画会社のCEO時代は、映画館に来た人々に笑いや恐怖などピュアなエモーションをもたらせる仕事なのが気に入っていました。今は映画の代わりに音楽によって人々に感動を、というわけです」
未発表のままレコード会社などで眠っているコンサートの録音。その選りすぐりをアナログレコード化した少数限定の“Lost Recording”コレクション。
世界中でもっともパーフェクションを求める日本人に向け、この6月、GINZA SIXにアジア最大級のデビアレの旗艦店がオープンした。パリでもオペラ座内や老舗百貨店のサマリテーヌといった特別感のある場所を選んでいるように、日本でも最高の場所を希望した結果だ。当然リスニングルームも完備している。
「商品の画期的な技術面について、語ることはいくらでもあります。でも、かつて僕が体験したように、実際にファントムで音楽を聴いてみて欲しいですね。頭脳ではなく心に訴えかけるものがあります。自分の好きな曲を5分だけでも。クオリティーを体感してもらうのが一番です」
パリ3区の第一号店内。イノべーションを部品で展示し創業者3名を紹介。
革新的な次世代ワイヤレスイヤホン“デビアレ ジェミニ”も人気が高く、また昔のようにレコードを聴く人が増えている今、それに対応する商品もデビアレでは開発している。外出制限令が出て’ステイホームが繰り返された昨年は、テレワークによって多くの時間を自宅で過ごすことになった人々が、より良い音楽時間のために“ゴールド”と略称される“ファントム I 108db”を求めた。
昔ながらにレコードを聴く喜びを求める人が増えている昨今。ターンテーブルに最新商品の“Arch”(日本未発売)を接続すれば、Wi-Fiを経由してファントムで聴くことが可能に。
「これは音がもっともピュアでパワフルなんです。アップデートもできるし、賢い投資ですね。今後もテレワークは続くでしょう。ヘッドフォンやパソコンで音楽を聴く人も少なくないので、今後、デビアレの最先端の技術をこうした機器にもたらしていきたいです」
200件以上の特許を開発し、画期的なテクノロジーを詰め込んだワイヤレススピーカー“ファントム I 108db ゴールド”¥449,000
(14Hz-27kHz専用リモコン付き)
Interview with Franck Lebouchard
CEO
Text: Mariko Omura Photos: Mohamed Khalil Editing Direction: Yuka Okada(81)