「茶靴」vs「黒靴」。エイジングに見るそれぞれの個性と魅力|ジョセフ チーニー
BRITISH MADE
Fashion
「茶」か「黒」か。革靴を選ぶ際に多くの人がふと立ち止まる色選び。どちらも対応力が高く優れた選択肢でありながら、経年変化を経て生まれる個性は異なります。革靴の色選びは一瞬の判断でなく、自分のライフスタイルや着用シーンに寄り添って長い目で選ぶべきもの。そこで今回は、履き込んだ先で出会える「エイジング」という視点から、それぞれの色の魅力をお届けします。
01|茶靴を育てる
自分好みのニュアンスへと導ける柔軟性
モカ、エスプレッソ、バーガンディなど、色の深みや濃淡、赤みにより多様なカラーが存在する「茶靴」。黒に比べて経年変化が分かりやすく、大切に履き込まれた風合いはぐっと洒脱な印象を与えます。また、元の色味から自分好みの濃淡やニュアンスへと変化させながら育てられるのも茶靴ならではの醍醐味です。
◆ 茶靴のエイジング
JOSEPH CHEANEY - AVON C/エイボンC(コマンドソール/グレインカーフ)(MEN) ¥90,200-税込
着用歴:半年
半年間、週3日履き込んだ一足。手入れは二ヶ月に一回のペースでニュートラルのクリームを塗布。元の濃淡を生かしたシックな表情に。
JOSEPH CHEANEY - AVON C/エイボンC(コマンドソール/グレインカーフ)(MEN) ¥90,200-税込
着用歴:8年
同じモデルでも、着用歴や履き方で表情は大きく異なります。こちらはあまり手入れをせずにガシガシ履き続けたという一足。元のカラーよりも、全体的に赤みのある濃いブラウンへ育てており、コバのフェード感と相まってより重厚感を感じさせる顔つきに。
JOSEPH CHEANEY - WILFRED/ウィルフレッド(レザーソール/カーフ)(MEN) ¥88,000-税込
着用歴:7年
トゥ部分の光沢感を強めた一足ながら、アッパーに味のある濃淡が生まれており、アンティークのような貫禄のある顔つきに。
02|黒靴を育てる
より深く、艶やかな風格を刻むブラック
スマートで品のある印象から、冠婚葬祭などでも使用される「ブラック」は革靴の王道とも言える色。黒靴は履き込むほどに、革の表面に凹凸が生まれ奥行きのある色合いに育っていきます。さらに手入れにより光沢を増した艶やかな色合いは、大人の足元をより一層魅力的に見せてくれます。
◆ 黒靴のエイジング
JOSEPH CHEANEY - HUDSON/ハドソン(レザーソール/カーフ)(MEN) ¥88,000-税込
着用歴:5年
カジュアルなコインローファーを、上品な顔つきに育てあげた個性的な一足。月に4〜5回のペースで履き込み、月に一度ブラックカラーのクリームでケア。しなやかな光沢感と、深く重厚なブラックカラーが魅力的です。
JOSEPH CHEANEY - HARRY/ハリー(レザーソール/カーフ)(MEN) ¥88,000-税込
着用歴:3年
ドレッシーなタッセルローファーを、さらに上品に育てあげた一足。週2回のペースで履き込み、月に一度ブラックカラーのクリームを塗布することで深みのある黒に。また、全体に強くポリッシュをかけて光沢感を演出。
JOSEPH CHEANEY - PENNINE 2 C/ペナイン(コマンドソール/グレインカーフ)(MEN) ¥95,700-税込
着用歴:7年
季節を問わず、週1ペースで履き続けているという一足。革のシワやシボの伸びなど、随所に経年変化がありながらも全体的に光沢があり美しい状態を保っています。靴紐をオリーブグレーの平紐に替えることで軽やかな印象に。
英国靴を育てるということ
ジョセフ チーニー
SDGsが浸透し、スピーディーな消費行動そのものが「時代遅れ」の兆しを見せる中、「モノを捨てない」という英国の暮らしに根付いた価値観は、私たちに新たな気付きをもたらしてくれます。靴底やコバがすり減ったからといって手放すのではなく、ごく当たり前に修理や修繕を選択する。英国靴の老舗メーカー「ジョセフ チーニー」が守り続けるグッドイヤーウェルテッド製法は、長く履き続けることを前提とした仕立てであり、こうしたライフスタイルを深く反映しています。
英国靴を育てるということ。それは単なるファッションとしての選択だけではなく、自分自身がどうありたいかという姿勢の選択とも言えるかもしれません。
銀座店 Instagramアカウント:@britishmade_ginza