
會見明也 展示「I say “What should I see”, you say “see”」
銀座 蔦屋書店
Art
銀座 蔦屋書店は、2025年6月20日(金)までの期間、銀座 蔦屋書店インフォメーションカウンター前にて、作家 會見明也の展示を開催中です。
會見は「メディアによるイメージ形成」と「記号的存在としてのモデル」を主題として、AI生成や写真などを活用してPC上で加工を重ね作成したイメージを、エアブラシや筆を使い改めて平面作品として再構築し作品制作を行っています。
本展では新作の絵画作品を展示いたします。是非ご高覧ください。
以下、作家より本展覧会に寄せてのテキストです。
[展示ステートメント]
私たちは今、何を見て、何を模範とするだろうか。
私の作品は、AIが描き出す「身体像」に対する違和感、そしてそれによって形成されるイメージへの問いから出発している。そこに現れる顔や手は、あまりに滑らかで、あまりに正確で、そして同時に、あまりに匿名的である。それらは誰かであるように見えて、実際には誰でもない──情報の交差点で生まれ、見る者の欲望によって組み立てられた、「見るための身体」あるいは「浮遊する皮膚」にすぎない。
流れる情報をスクロールするうちに、私は眼前の自分の身体を透明化し、画面の向こうにある身体へと視線を移していく。誰かの顔が、誰かの手が、アルゴリズムによって選別され、加工され、分解され、そして再び理想像として立ち上がる。そのプロセスに主体はいない。あるのは、欲望と制度によってかたどられた「模範のかたち」だけである。
私は、その模範的身体を絵画の中で分解し、重ね、ずらし、歪めていく。なめらかな肌は破れ、視線は重なり、意味を複層化させる。そこに遮るように置かれた手は、作者自身のものである。
「見ること」はすでに分裂しており、視線は錯綜し、そこに映るものは単一の存在ではなく、「見る制度」の痕跡そのものとなっている。顔も、手も、そして私自身のまなざしさえも、もはや誰のものでもないのかもしれない。
自己とモデル no.1 [触れられないことについての思索(試作)]/acrylic paint on panel, resin/
333 x 455 x 50 mm/2025
[アーティストプロフィール]
會見明也 / Akiya Aimi
■EDUCATIONS
2001 埼玉県生まれ
2025 東京藝術大学美術学部絵画学科油画専攻卒業
2025 東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻第六研究室1年在籍
■EXHIBITIONS
2022 「super-」ギャラリー33 north
2024 「intro_1」代官山ヒルサイドフォーラム
2024 「ターナーアワード2023 受賞作品展」(入選) ターナーギャラリー
2024 「OPEN STUDIO 會見明也 / 木々津鏡 / 高橋文 」 ABAB 上野下スタジオ
2024 「スクライング・イン・ザ・ビルディング」 ターナーギャラリー
2024 「Lurf Annual Exhibition 2024」 Lurf Gallery
2024 「東京藝術大学油画専攻 学内賞受賞者展 [triangle cycling]」藝大絵画棟YugaGallery
2025 「東京藝術大学油画卒業制作学内審査展2025」藝大絵画棟7F
2025 「第73回 東京藝術大学 卒業・修了作品展」東京都美術館
2025 「AaP Towards to Future 2025」roidworks gallery
2025 「東京藝術大学 買上 2025」Yamanote Line Museum
■AWRADS
2024 TURNER AWARD 2023 入選
2024 上野芸友賞 受賞
2025 卒業・修了制作買上賞(油画主席)
[作家ステートメント]
私は、SNSやAI生成モデルが急速に普及し、イメージが大量かつ無秩序に生成される現代において、「メディアによるイメージ形成」と「記号的存在としてのモデル」を主題として作品制作を行っている。具体的には、インターネット上の画像や自身で撮影した写真、あるいはAIを用いて生成した画像を素材とし、PC上で理想的なイメージへと加工・編集を加える。そのイメージをもとに、エアブラシや筆を使用して物質的な絵画へと再構築する。このプロセスにより、デジタルメディアが志向する滑らかさと、絵画制作の過程で生じる偶然性や不完全性とのあいだに存在するギャップを、意識的に浮かび上がらせようとしている。
また、美術史における「モデル」(人物)という存在が、インターネットやデジタル画像処理技術、さらには近年の画像生成AIの影響を受け、より記号的かつ抽象的な存在へと変容しつつある点にも注目している。現代の「シミュラークル」としての曖昧な身体イメージが再生産され続ける今。私は、このような状況において描かれる「モデル」という存在そのものが、現代においていかなる意味を持ちうるのかを、創作活動を通して再考する。
會見明也
[展示詳細]
會見明也 展示「I say “What should I see”, you say “see”」
会期:2025年6月20日(金)まで ※終了日は変更になる場合があります。
時間:10:30 ~ 21:00 ※最終日は17:00まで
場所:銀座 蔦屋書店 インフォメーションカウンター前
主催:銀座 蔦屋書店
お問い合わせ:03-3575-7755(営業時間内) / info.ginza@ccc.co.jp
フロア: 6F
イベント名: 會見明也 展示「I say “What should I see”, you say “see”」
開催期間: 2025.05.31- 2025.06.20
2025.06.02 UP