GINZA SIX EDITORS
ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。
GINZA SIXで見つける“ニューベーシック” Finding New Basics at GINZA SIX
萬代 悦子
フリーランスという浮き草めいた肩書きに甘えるように、日々の装いも、ついつい快適さを優先させたカジュアルスタイルがメインになっている昨今。とはいえ、年齢や立場を考えると、せめて小物くらいはキチンとしたものを身に付けなければ…ということで、着こなしをバージョンアップさせつつも、普段の男子系カジュアルスタイルに浮かないオーセンティックな良品をハントすべくGINZA SIXへ。
1年の半分以上は古着のデニムパンツ。でも、靴をキチンとすることで、着こなしはそこそこちゃんとした感じになる、と信じています。特に、遠くから見ても良い靴であることを、主張してくれるような逸品に出会いたい時は2Fの「セルジオ ロッシ」をチェックします。
ゴージャスなフラットシューズとして人気の「sr1」も、ここまで色や素材の種類が揃うと壮観! 特にスリッパタイプは、パンツやロング丈のスカートとバランスが取りやすいので、とても重宝します。ベーシックカラーはもちろん、厚手のタイツやソックスに合わせたいファー素材や、コーディネートを引き締めてくれるメタリックシルバー…、あれも!これも!と行きたいところですが予算もありますので迷いどころ。
一番気になったのは、黒ファーをあしらった「sr1」(137,000円 ※以下全て税抜価格)。スリッパタイプの便利さは、秋冬はタイツやソックス合わせで、夏は素足で…とオールシーズン使えること。しかも最近は夏でも足もとだけファーをプラスするアンバランス感が、シンプルなスタイルに“こく”を与えてくれるのです。黒ファーならリッチ感もあり、今からシーズン問わず履きまわせます。
今回「セルジオ ロッシ」に来た理由のひとつが、今年デビューした「sr YURI」を試着すること。この「sr YURI」は日本限定のパンプスで、日本人女性の足にフィットする木型を採用しているのです。ノーズポインテッドトゥが通常のパンプスより長く、膝下がスラッと長く見える効果も! オールラバーソールだから、いちいちゴムソールを張ってもらう必要も無く、買ったその日からガシガシ履ける、正に働く女性のためのパンプスなのです。
甲高&幅広足の自分は、全体的に幅が細いインポート靴はサイズ39を選んで、調整しつつ履くことがほとんど。ただ、この「sr YURI」(69,000円)はサイズ38.5がスルッとフィット! しかも、流石のカッティングで、足がセクシーに見えるんです。黒いスエードなら、スカートやキレイ目パンツとも相性抜群。7.5cmヒールの高さを感じさせない安定感。日常着の穴あきデニムパンツも、こんな洗練されたパンプスを合わせれば、スタイリッシュに着こなせるかも。「セルジオ ロッシ」の靴の偉大さを感じずにはいられません。
さらにユニセックスなスタイリングが好きな自分にとって、欠かせないブランドが3Fの「ラグ アンド ボーン」。ベーシックな中にエッジを効かせたデザインで、飽きのこない長く愛せるアイテムが揃います。トップスは、メンズのSサイズをオーバーサイズで着ることも多いので、レディスとメンズが同じ店内にあるGINZA SIXのショップは両方試せてとても便利。
秋物ニットを見に来たのに、想定外の出来事が…!! 「アトラス」という名のショルダーバッグ(74,000円)に出会ってしまいました。この、何とも言えない落ち着いたバーガンディーレッド。茶系やカーキ系の服が多い自分にぴったりで、正に直球ド真中。なにより、封筒のようなスクエアフォルムが、甘すぎず、辛すぎず、ユニセックスなスタイリングにマッチしちゃうんです。お洋服の世界観をバッグに踏襲しているからこそ、こんなにツボなバッグが作れるのでしょう。
しかも、このバッグの何が凄いって、こんな風に広げてフラットになるんです! フラットな状態なら、かさばらずラゲッジに収納も可能。スナップボタンをパチパチと留めるだけで、ショルダーバッグの状態に元通り。海外出張の際、機内に持ち込むトートバッグで1日中過ごすことなく、コンパクトでクールなショルダーバッグを抱えて颯爽とディナーに出かけることも夢じゃありません。
ストラップの長さが調節できるので、短くしてショルダーに、長くして斜め掛けにと、着こなしに合せてアレンジ可能。小脇にすっぽりと収まるサイズ感も絶妙。毎日づかい確定のバッグが見つかって、今からどんな服に合せるか考えるだけでワクワクします。
最後にいつかは…と思っていた名品、「グランドセイコー」を選びに5Fの「セイコー ブティック」へ。銀座で「グランドセイコー」といったら「セイコープレミアムブティック」や「和光」ですが、自分には若干敷居が高く、GINZA SIXのショップは、気軽に覗けるオープンな店構えが魅力です。神々しく輝く、若き大リーガー、大谷翔平選手が入店する私を見守ってくれているようです。
いわゆるレディスの腕時計のサイズ感がフェミニンすぎて、自分のスタイリングにちぐはぐだと感じることが多々。そこで、メンズの腕時計を着けることにシフトチェンジを計画中。ただインポートブランドは、ケースが大きく「借りてきたもの感」が漂ってしまうので、純正日本ブランドの「グランドセイコー」の程よいサイズ感に期待です。
今回選んでいただいたのは、ステンレススティールケース(左:SBGW231 450,000円)、ステンレススティールのオートマティック(中:SBGH213 650,000円)、18Kゴールドケース(右:SBGW252 1,800,000円)の3種類。オートマティックは少しケースが大きく、厚みがあるので自分の手には若干ヘビーかも…ということで却下。ステンレススティールに黒ベルトのタイプはサイズ感も丁度良く、夏にTシャツの手元に合せたりしたらイケてるんじゃないかしら??と着用イメージが沸いてきます。
しかし、私の心を鷲掴みにしたのは18Kゴールドケースの腕時計。過去のデザインをアーカイブさせたというケースのクラシック感といい、少しアイボリーがかった文字盤といい、一生モノとしての存在感を私の手元でバンバン響かせています。店員の方も「一番お似合いだと思います」とイチオシしてくだいました。知ってます(涙)! 予算が(号泣)!! さすがに約2百万の時計を即決する勇気はありませんでしたが、日本が誇る随を極めたマニファクチュアリングを体感することができる良い機会になりました。これから「グランドセイコー」貯金を始めます!!!
Text:Etsuko Mashiro Photo:Masahiro Heguri Edit:Yuka Okada
GINZA SIX EDITORS Vol.61
萬代 悦子
フリーランスエディター・ライター。「eclat」「HERS」でのライターを経て、ファッションをメインにジャンルを問わず「Forbes JAPAN」他、雑誌、Web、カタログ、書籍に於いて等で編集・執筆中。Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中