GINZA SIX EDITORS
ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。
一着でキマる“攻め”服を求めて Dynamic Fashion: Finding That One Special Stand-Alone Item
福原 咲子
重ねて、重ねてのレイヤード流行が続く昨今ですが、春は主役服一着でハッピーになりたい。そんな気分を叶えてくれる、個性豊かな服を求めて、いざGINZA SIXへ。春はもう目の前。“引き算”のコーディネートでも、可愛く、華やかに、“攻め”のファッションを楽しんでいきたいです。
マカロンカラーに彩られたカレン ウォーカーのショップは、ブランドの世界観が堪能できる日本発の旗艦店。ハッピーな色使いにドリーミーなテキスタイル、そしてメリハリのある華やかなシルエットが、このブランドの魅力。“ユルくない”理想の一着を見つけるには、まさに打ってつけのショップです。店内のコーラルピンクは、カレン ウォーカーのテーマカラー。本国ニュージーランドのショップでは、この色のペンキも販売されているとか。そんなちょっとした遊び心にも、カレン ウォーカーのフィロソフィーが感じられます。
毎シーズン発表されるサングラスコレクションは、カレン ウォーカーの人気アイテム。GINZA SIX店では、70種類以上のサングラスが一堂に揃います。デイリー仕様のシンプルなものから、アクセサリーとして取り入れたいポップなものまで、かけるだけで気分が上がるデザインばかり。私が試したクリアブルーのフレームはケイティ・ペリー着用のアイテム。大ぶりのサングラスで、顔まわりにもプレイフルな息吹を取り入れたい!
ギフトにもぴったりのアクセサリー類は華奢なデザインがガーリーな印象。アニマルモチーフのリングやピアスは、繊細な作りで子供っぽくならないのが嬉しい。何か足りない時にプラスできる“さりげなさ”に惹かれます。
春夏のコレクションテーマは“Eat Cake”。マリー・アントワネットのフェミニンスタイルがストリートに昇華され、日常的に着こなせるガーリールックが揃います。私が気になったのは、スウェット×ヴィヴィッドオレンジの組み合わせが新鮮なワンピース。ハリ感のある素材のスカートは着てみるとボリューム満点!大人でも着られる上品なプリンセスシルエットが叶います。裾がゆるやかに広がったデニムジャケットとも相性抜群です。
カレン ウォーカーのすぐ横には、ヴィヴィアン・ウエストウッドのショップが独自の存在感を放ちます。実は言うほどヴィヴィアンの服は持っていないのですが、30代半ばの今だからこそ、自然体で着こなせる気がしています。ショーウインドウに飾られた赤いドレスのように、独創的なだけではない、体を包み込むような美しいシルエットにも目を奪われます。いつでも変わらないヴィヴィアンスピリットを身に纏い、いつもよりちょっと冒険してみたい気分です。
「ロッキンホース」「パイレーツ」と共に、ヴィヴィアン・ウエストウッドの名作シューズとして名を馳せるボンテージブーツ。履くのもけっこうな大変さですが…(笑)、その名の通りの拘束感で、背筋が伸びる一足です。引きずるくらいのロングスカートと合わせて、象徴的なつま先デザインをのぞかせたい。
「エシカル ファッション イニティアティブ」とのコラボレーションバッグ。アフリカのナイロビの職人との共同作業で作られた商品は、過去のコレクションのマテリアルが一部再利用されているそう。各所にヴィヴィアンスピリットが感じられるこのアイテム。ヴィヴィアン&アンドレアスの頭文字が配されたロゴアップリケもキュート。
ブラジル生まれのシューズブランド、メリッサとのコラボレーションも見逃せません。PVC素材のキッチュなデザインと手頃なプライスが人気のメリッサ。ハートが大きく配されたアングロマニアとのコラボパンプスは、私も以前愛用していました。おもちゃみたいな可愛さと、ゴム特有の臭いを消すためにつけられたメリッサのフルーティな香りはやみつきになるはず。
若かりし頃、みんなが欲しかった“アーマーリング”。指の間接につける鎧のようなデザインは、いつ見てもさすがのインパクト。三連バージョンは、ほど良いボリューム感で大人も取り入れやすい印象。首もと、耳もとはノーアクセサリー派なので、手もとで“攻め”のアティテュードを演出したいです。
続いて向かったのは地下一階のビューティフロア。理想のファッションを楽しむには、手元のケアも怠れません。ジェルやアートで楽しむのも良いけれど、コンシャスなファッションにはヌーディなネイルが今の気分ということで、ukaのショップを訪れました。
ukaのカラーベースコートは、肌に自然に馴染む5色展開。私が愛用しているのは、肌色の延長のような5/0のサンドベージュ。血色感をほどよく抑え、ミニマルな手元に仕上げてくれます。一度塗り、二度塗り、三度塗りで違った色合いが楽しめるのも嬉しいポイントです。
忙しい女性の心を癒すネイルオイルも大人気。締め切りに追われる毎日につかの間の至福を与えてくれる18:30のローズの香りがお気に入りです。ミュベールなどファッションブランドとのコラボレーションも展開しており、個性豊かなパッケージが楽しめます。
ネイル&リップバームは唇にも指先にも使えるアイテム。箱を開けると可愛い絵柄がのぞく、ukaらしい繊細な心使いにも癒されます。こっくりとした使用感で、唇、指先はもちろん、残ったバームはハンドにも。
3月14日までの限定で販売されているda rosaとのコラボレーション商品も店内に。貴腐ワインにつけ込んだレーズンが香る“ソーテルヌ”(レーズンチョコ)や、ぴりっと辛い“ピモンド”(アーモンドチョコ)が販売中。お酒ともマッチするチョコレートは、甘いものが得意でない私にもぴったり。
しっかりエネルギーチャージして、とっておきの一着で装う。着るべき服と着たい服の狭間で、コーディネートに悩みがちな30代。日々のやる気をかき立ててくれる攻め服で、思いっきりファッションを楽しみたい。GINZA SIXでのショッピングは、そんな気持ちを思い出させてくれました。
Text : Sakiko Fukuhara Photo : Kanako Noguchi Edit : Yuka Okada
GINZA SIX EDITORS Vol.30
福原 咲子
1983年生まれ。『DAZED & CONFUSED JAPAN』『NYLON JAPAN』の編集を務めた後、フリーランスエディター・プロデューサーとして活動。ファッション誌の編集のほか、ファッションブランドのカタログやシーズンビジュアルの制作ディレクションを行う。Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中