我らがファッション愛よ、もう一度!
GINZA SIXに充満するインバウンドのゲストたちの熱気を受けて、我々日本人のファッションへの感度と情熱を改めて呼び覚ましてくれる、館内を歩いて見つけたマニアックなトピックを全力スクープ!
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Shopping That Speaks to the Soul
物欲を刺激するデザインの奥にあるもの
一見しただけではすべては知り得ない。身につけてこそ確かに感じる、手仕事の国に生きる日本人の琴線にこそ響く、奥深き世界へナビゲート!
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プラチナとダイヤモンドが紡ぐ
レースの表情
「AbHerï」のクラフツマンシップを象徴するコレクション“reticella”は、中世ヨーロッパで糸の宝石と讃えられた貴族たちのレース“レティセラ”を彷彿とさせる。その煌めきはラフスケッチに始まりすべての作業を行う職人技の賜物だ。刺繍のように繊細な彫模様。ダイヤモンドが花びらで包まれたような花留めなど輝きを引き立てる3種の石留め。入り組んだデザインの隙間をフォルムが崩れないように磨き切る研磨。どの角度から見ても美しい直径わずか1.5㎝のフープピアスに、精密な技術が凝縮されている。ピアス(2個セット)¥682,000/アベリ(4F)
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あなただけの宝石
あなただけのジュエリー
約1.3ctのアレキンサンドライトは、日本中を探しても滅多にお目にかかれない代物。世界から集められた個性豊かな希少石がタイムレスなデザインと出合い、あなただけの一点もののカスタムジュエリーに姿を変える。もっと自由に、もっと自分らしく! BIZOUXが発信する新しいジュエリー体験が、心惹かれるひとつの石選びから始まる。(上から時計回りに)バイカラーサファイア¥154,000〜、アレキサンドライト¥4,180,000〜、ファンシーカラータンザナイト¥132,000〜、ブルースターサファイア¥209,000〜、ピンクトルマリン¥495,000〜/ビズー(4F)
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ケースの中に広がる
職人だけの世界
オープンワークのブリッジが生む幾何学的なデザインだけではない。スケルトン加工されたケースの中に覗く約7日間のパワーリザーブ機能を備え美観をも追求したムーブメントが象徴する、そこには職人技の結集がある。超複雑時計並みに精緻な作業が求められるこの時計の組み立てと調整は、マニュファクチュールの誇りである選ばれし時計師の手によってのみ行われる。なかでも小ぶりなこのモデルは、日本人の華奢な腕にフィットするサイズだ。ウォッチ“ヴァンガード”〈手巻きムーブメント、50×41㎜〉¥8,030,000/フランク ミュラー ジュネーブ(2F)
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馬具メーカーの歴史と
プライドを反映
改良を重ねてきたバッグ“エグゼクティブ”が2024年のブランド創業60周年を機にリニューアル! 日本唯一の馬具メーカーという起源に立ち返り、馬具用の革も専門的に手がけるフランスのタンナー、アーナル社の厚みと耐久性を兼ね備えるナチュラルサドルを落とし込んだ。仕上げは熟練の職人が担当。最も傷付きやすい底のコーナー部分は手縫いで頑丈に。革が重なる部分は厚みが出ないよう漉いて重ね、内装にも強度を損なわない程度に薄く漉いた軽量のヌメ革を採用。ブリーフケース〈高さ22.5×幅38×マチ7㎝〉¥231,000/ソメスサドル(5F)
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The Evolution of PARIGOT
実録!PARIGOT快進撃の秘密
写真/ PARIGOT店長を担う中村朋美さん(左)とLe GRAND CLOSET de PARIGOT / MAN(以下PARIGOT MAN)店長の末次勇太さん(右)。中村さんはPRおよび企画、末次さんは東京都内の「Le GRAND CLOSET de PARIGOT」店長とエリアマネージャーも兼務。
GINZA SIXだけで2店舗!
名物店長2人に学ぶ現代進化形セレクトショップのリアル
〈PARIGOT〉
〈Le GRAND CLOSET de PARIGOT / MAN〉
1990年代のセレクトショップ全盛期、そして2000年代を経て、いつどこにいてもワンクリックでショッピングができるようになった昨今。そのあり方に変化があったかと尋ねると、2017年のGINZA SIX 開業以来、4階に根を張る「PARIGOT」店長の中村朋美さんからはポジティブな答えが返ってきた。
「入社した2004年当時と現在でも、私たちとお客様の関係性は変わらないですね。PARIGOTのお客様は、スタッフとの会話を楽しみに訪れてくれる方が多い。強いて挙げるならば、SNSの普及によってお客様側のリテラシーが上がったこと。コレクションを見たうえで来店されるなど、ファッション関係者並みの知識を持っている方も増えました」
驚くことに、店頭に商品が並ぶ約半年前に開かれるブランドの展示会直後に「来シーズン、これは入りますか?」と問い合わせが入ることもあるという。該当の商品を買い付けていなければここで話は終わるが、「PARIGOT」と、さらにGINZA SIX 5階に2024年4月にオープンした「Le GRAND CLOSET de PARIGOT / MAN」は、ひと味違う。「オーダーが間に合えば」という前提ではあるものの、ひとりの顧客のために追加で買い付けることもあるという。セレクトショップとは名ばかりの、もはや個人向けのコンシェルジュといえるが、特別なことではないとLe GRAND CLOSET de PARIGOT / MAN店長の末次勇太さんは語る。
「オフィシャルのサービスではありませんが、以前から行っていました。会話の中からお客様が欲しているものを察して提案し信頼を積み上げるというやり方は、顧客との関係がより密な地方にも店舗を持ち、広島・尾道でスタートしたPARIGOTならでは。銀座でもこの接客術は通用すると実感しています」
写真/ 1. PARIGOT MANの店内ではピエール・ジャンヌレがデザインした椅子で小休憩も。2. 最高級素材を使用したオリジナルのメンズポロシャツ。3. 商品の陳列にも独自の勝ちパターンが。4. Tom Woodの品揃えは銀座No. 1 ! 5. Mame Kurogouchiのファーコートも入荷予定。6. デニムブランドTANAKAも今季から取り扱いが開始。7. 人気のChika Kisada。8. デニムコーナーはPARIGOTの顔。両店内はドメスティックブランドの品揃えも豊富だ。決してインバウンドを意識したのではなく、「日本人のお客様にこそ日本が世界に誇るものづくりと圧倒的なクオリティを知ってもらいたいし、そんなブランドを応援したい」という想いがある。代表的な人気ブランドとしてはCFCL。全コレクションのうち約8割のアイテムを買い付けているというメンズの品揃えは、ほぼ直営店並み! 他に名前が挙がったのはyoshiokubo、08sircus、UJOH、Tamme、ウィメンズではMame Kurogouchi、FETICO、Chika Kisada、near.nipponなど。いずれもテキスタイルと縫製ともに圧倒的なクオリティを誇りながら、銀座界隈では見かけないインディペンデントなセレクトといえる。ちなみにドメスティックブランドではないが、メンズにおけるTom Woodの品揃えが銀座エリア最強であることにも触れておきたい。
さらに、これらのアイテムが並ぶ店内のディスプレイにも隠された仕掛けが。他のセレクトショップではブランドごとに陳列されるのが常だが、ここでは店内の随所にデニムやシューズといったカテゴリーで括ったセクションを設けており、一見したお客様に“選択肢が豊富なお店”という印象付けができる。これが見事にハマったのが、インテリアデザイナーのWonderwall®片山正通さんが手がけたLe GRAND CLOSET de PARIGOT / MANの内装。クローゼットというコンセプトのもとで自然にカテゴライズすることで、ハイエンドなセレクトと豊富なラインナップの双方をバランス良く見せることが可能となった。
ちなみに、両店を展開し、尾道のメリヤス雑貨商から始まった株式会社アクセは、2025年で100周年。今後の展望を最後に聞いた。
「AubeLというウィメンズブランドを2024年秋ローンチします。最高の生地と日本トップクラスの縫製工場で作ることを掲げて、ものづくりを追求しました。100周年に向けてはスペシャルコラボレーションとして、フランスの某ラグジュアリーブランドとの協業が決まっています。他にも名だたるブランドとプランを進めているのでご期待ください!」
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PARIGOT Classics
推しの日本ブランドの新作
– For Men –
A_UJOH
多様なものが溶け合って生まれる新たな可能性への進化や調和をアブストラクトな柄で表現。二重織りのストレッチツイルは、着ていることを忘れるほど滑らか。シャツ(ウジョー)¥59,400
B_Tamme
スーツとフライトジャケットの要素を融合。ブラックのファブリックとメタルパーツのコントラストが美しい。左袖に付くポケットは取り外しができ、機能性も充実。ブルゾン(タム)¥94,600
C_08sircus
サイドファスナーでシルエットの変化を楽しむ。マットなヴィスコース素材がエレガント。パンツ(ゼロエイトサーカス)¥59,400/以上ル グランド クローゼット ドゥ パリゴ / マン(5F)
– For Women –
D_CFCL
ブランドを代表するポタリーシリーズのロングスリーブドレス。コンピュータープログラミングによって作られた立体的なスカートは優雅なフォルム。ドレス(シーエフシーエル)¥74,800
E_Mame Kurogouchi
フロントにボタニカル柄と格子柄をあしらった、伝統的な籠に着想を得たコード刺繍のベスト。さまざまなインナーとレイヤードを楽しみたい。ベスト(マメ クロゴウチ)¥94,600
F_Chika Kisada
ボリュームたっぷりのチュール素材がフェミニンな印象。ハンドルの結び目を調整すれば、ハンドバッグにもショルダーにもアレンジ。バッグ(チカ キサダ)¥59,400/以上パリゴ(4F)
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On the Hunt
掘り出しものでブランドの魅力を再発掘
ロゴものや定番品ばかりがブランドの顔ではない。真のファッション通が選ぶべき逸品をGINZA SIX各所でハント!
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シックな日常に寄り添うパリのエレガンス
クチュールメゾンで5年間に渡りテーラリングのキャリアを積んだデザイナーのアレクサンドル・マテュッシにとって、テーラードジャケットは最も得意とするアイテム。端正なシルエットながら、柔らかなウールが身体を優しく包む。ブレザー¥174,900/アミ パリス(3F)
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この秋に登場したてのニューアイコン!
アイコンバッグ“トランク”が“トランカルー”に進化。柔らかなカーフレザーを構築的に仕上げたレクタンギュラーフォルムにブランドのクラフツマンシップを感じる。ゴールドのマグネットクロージャーで愛らしさもプラス。バッグ〈高さ11×幅17×マチ9㎝〉¥218,900/マルニ(3F)
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さりげなく主張する大人のためのゴールド
ゴールド特有の存在感に抵抗を持つ人でも違和感なく着けられる、シンプルかつ品のあるネックレスを「SJX」で発見。肌に沿って輝くトレンドのヘリンボーンチェーンが大人の胸元を演出する。シルバーと同じ感覚で取り入れたい。ネックレス¥335,500/エスジェイエックス(5F)
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英国クラシックとテックの意外な巡り合わせ
「MARGARET HOWELL」と「MIZUNO」、意外性あふれるコラボは知る人ぞ知る人気コレクション。止水ファスナーを使用した防水、透湿、撥水性に優れたシェルジャケットは、これまでのモダンクラシックなイメージを刷新。ジャケット¥50,600/マーガレット・ハウエル(4F)
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違いを生むメタリックヒールに注目
2024年秋の新作はメリージェーンのバレエシューズ。華奢なダブルストラップと柔和なスクエアトゥ、70年代を思わせるメタリックヒールもアートを愛するデザイナーならではの彫刻的なラウンド形状で、官能性をプラス。シューズ〈ヒール2.5㎝〉¥185,900/ピエール アルディ(3F)
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定番をラグジュアリーにアップグレード
GINZA SIX限定でオールレザー製の“サーカス”が登場。ミラノのタンナー、モンフリーニぺラーミ社の牛革は、滑らかな肌触り。ブランド像をハイエンドに押し上げる。バッグ(マスターピース)〈高さ47.5×幅31×マチ17㎝〉¥132,000/エムエスピーシープロダクトセレクティッド(5F)
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*掲載内容は9/2(月)時点の情報です。
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Editor in Chief: Yuka Okada (81)
Edit & Text: Kenichiro Tatewaki
Photos:Naoto Kobayashi (Shopping That Speaks to the Soul), Keita Goto (On the Hunt / W), Asa Sato (The Evolution of PARIGOT items), Mitsugu Uehara (The Evolution of PARIGOT shops)
Styling: Maiko Kimura (Shopping That Speaks to the Soul)
Hair and Makeup: Kotoe Saito (Shopping That Speaks to the Soul)
Model: Nanao (AbHerï)
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