GINZA SIX EDITORS
ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。
Gonna soak up the sun ── カラフルハントで太陽を浴びる準備 Gonna Soak Up the Sun—Looking for Color
小林 あつこ
子供の頃、銀座は休日に家族でデパートやディナーに出かける場所で、堂々と道路を歩ける歩行者天国がとても楽しかった思い出があります。大人になった今も家族との大切な集まりといえば銀座。休日は自分の家族と訪れる特別な場所、平日は展示会などで来ることの多い日常の銀座、といった感じです。
そんな私の銀座レパートリーに、2017年から仲間入りしたのがGINZA SIX。家族との食事はもちろん、ブランドの品揃えや書籍をチェックしたり、アポイントの合間にカフェでちょっとした仕事を片付けるために立ち寄っています。
さて、緊急事態宣言も解除され、最初のショッピングは物欲、美意識、感度を満たしてくれるGINZA SIXへGO。STAY HOME中に悶々としながら思っていたことは「とにかく太陽を浴びたい!」ということ。自粛中に季節も移り変わり、5月の陽気な気候も存分に楽しめず、梅雨に突入してしまい、もはや慢性的な太陽ロス。暑いかもしれないけれど外を歩きたい、夏に映えるカラフルなワードローブを調達し、エネルギーチャージをしようではありませんか。
まずは服です。服がないと私の場合はお出かけしたいというモチベーションが上がりません。いざ、夏を楽しむおニューな服を探しに4Fの「スタイリング/」をチェック。こちらはご存知、人気スタイリストの白幡啓さんが手がけるファッションブランドとバイイングアイテムで構成されるセレクトショップで、3月19日にGINZA SIXにオープンしたばかり。基本的にシンプルで合わせやすく、ちょっとボーイッシュ、そしてスタイリストの白幡さんならではのツイストが効いたデザインが魅力です。入り口ではマニッシュなパンツスーツがお出迎え。
久しぶりのショッピング、楽しい! 「スタイリング/」の服はすぐ着たい、全部買っておきたいと思うアイテムがいっぱいで目移りしてしまいます。ラックにはシグネチャーともいえるカシュクールタイプのロングワンピースが多様な色柄、素材で登場しています。Tシャツやインナーに着るボディなどは、さすがのこだわり生地やシルエットで、持っていると大活躍必至です。
オリジナルデザインに混ざって、個性的なワードローブが差し込まれています。そう、こちらには白幡さんセレクトのビンテージクローズもラインナップ。プリントのシルキーなチャイナジャケット(52,000円 ※以下全て税抜価格)がかわいい!コンディションもとても良く、大人がチョイスできるセレクションが嬉しいですね。
カラフル&アーティなアクセサリーも目に飛び込んできます。こちらもヴィンテージものやセレクトアイテムがミックスされた品揃え。ちょっとデコラティブでアイキャッチーなイヤリングは今シーズン必須。単品コーディネートで寂しくなりがちな夏のスタイルにひとつ加えるだけで旬の着こなしが完成するはず。
このバッグ(4,000円)も「スタイリング/」のオリジナルで、ゴールドが夏らしさ満点! 実はこのバッグ、特殊な紙で出来ていて、とても軽いんです。使い込むうちにシワが出てやわらかく、アジが出てくるんだとか。ポシェットのようなミニバッグの日には、これと2個持ちしたらいいのかも。
まるで撮影スタジオのようなストロボが置いてある店内奥。ここのラックにかかっている中央の赤と白のプリントドレス(43,000円)を購入! 70年代のヴィンテージだそうで、着ると気分がアップしたので連れて帰ることにしました。かわいい夏のワードローブをゲットできて大満足です。
夏のファッションに欠かせない重要なアイテムといえばジュエリー。特に年を重ねるほど、本物を身につけたくなるのです。これからはラグジュアリーなジュエリーだけを買うんだ! と意気込んで、ファッション撮影でも使用させていただくことが多い1Fの「ピアジェ ブティック」へ。エントランスからまっすぐ進むとたどり着くアクセシブルなブティックは、ブルーとホワイトとゴールドを基調とした明るい店内で、入りやすい雰囲気です。
深海のブルーを思わせる“ピアジェブルー”を基調に、ウィンドウのディスプレイは水色のアーティなパネルが夏の涼しげなムードを演出。仕事でのスティルライフ(物)撮影のインスピレーションになりそう。ウィンドウにはピアジェのシグネチャーモデルのひとつでもある、PIAGET ROSE(ピアジェ ローズ)コレクションが陳列。線で形どった立体的なバラのフォルムが印象的なんですよね。私は大ぶりのリングが欲しいな。
そして今回絶対にチェックしたいと思っていたお目当てがこちらのペンダント(432,000円)。Piaget Sunlight(ピアジェ サンライト)というコレクション名で、グリーンマラカイトを取り囲むようにセットされた三角形のモチーフとダイヤモンドのきらめきは、まさに太陽のエネルギーを感じるデザイン。マラカイトは樹木のように入った節目がひとつひとつ異なり、ふたつとして同じものはないそう。そんな特別感もまた魅力です。
実はSTAY HOME中に夏のお買い物計画を立てるべく、オンラインで密かにチェックしており、晴れて店頭で試着できて感激。 あえてカジュアルなTシャツスタイルに、きらっとラグジュアリーなペンダントをつけることが大人の醍醐味だと思います。そしてやはり、実際手にとって身につけてみることは大切、お店の方のお話も伺えて、ますますこの商品に愛着が湧いてしまうのでした。「待っててね」(笑)。
ピアジェはカラーストーンのラインナップが豊富。赤いカーネリアン、ブルーのラピスラズリ、そしてこちらのターコイズも。ターコイズ色のベルトのウォッチとターコイズのチェーンブレスレットを手首でからませたらおしゃれ! 夏のジュエリー使いこそ、カラーストーンからエネルギーをチャージしなくては。
といいつつも、やはりダイヤモンドを散りばめた、キラキラ系ジュエリーも気になります。球体のモチーフにリングが回転するアイコニックな「ポセション」のイヤリング(848,000円)は、程よいサイズのフープデザインで、大人の普段使いジュエリーとして手に入れたいアイテムのひとつです。
太陽を浴びる季節といえば、お肌のメンテナンスにも気が抜けません。1851年、ニューヨークでアポセカリーとして創業し、天然由来成分を配合したスキンケア製品においてまさに先駆者的存在の「キールズ」をチェックするためにB1Fへ。日本に上陸する前は、ハワイやアメリカを旅するたびに、友達とたくさんのキールズ製品を調達するのがお約束。ラベンダーやローズの香りのボディーローション、リップバームは個人的なマストバイでした。
保湿、美白、キメ&皮脂対策、エイジングケアなど、その人が求めるケア用品が揃っているだけあって、大充実のラインナップ。まさにこの時期は、日焼け後の保湿がしっかりできるスペシャルケアに的を絞って、お店のスタッフにいろいろ聞きながら吟味したいと思います。
おすすめはカレンデュラという花を使ったシリーズとのこと。太陽をさんさんと浴びたようなきれいなオレンジ色に、訳もなくそそられてしまいます。カレンデュラは“皮膚のガードマン”とも呼ばれているそうで、キールズでは、広大な敷地面積を持つエジプトの農園から花びらを採取しているのだとか。
みずみずしいゼリーのようなエッセンス ジェルマスク(4,900円)には手積みのカレンデュラの花びらがたくさん閉じ込められているそう。アロエベラ液汁も配合されており、心を鎮めてくれそう。リラックスするやさしい香りにも癒されます。これ、買います!
さらに気になったのが、オイル コンセントレート マスク(5,200円)。アマゾンで採取できる3種類のオイルを配合している高級シートマスクは、ここぞという日の前夜に使用したい、保湿アイテムの切り札に。手の甲にカットしたマスクを乗せてもらったのですが、ものすごい密着感で、乾いた肌がごくごくとオイル成分を吸い込んでいくような感触。
さんざんいろいろなプロダクトを試すことができて得した気分。製品を買うと、自分に合いそうなサンプルをプレゼントしてくれるのですが、サンプルを入れるペーパーバッグに書かれたイラスト&メッセージのかわいいこと! お店のスタッフが1袋ずつ手描きしているそうで、 自粛後ということもあり、妙にハートに染みるのでした。
ぐるぐると館内を歩き回っていると、何か冷たいものをキュッと注入して、リフレッシュしたくなります。そうするとデパ地下へ降りていって、フルーツ屋さんがやっているフレッシュジュースをゴクゴク飲む、というのが至福のひとときなのですが、これからは4Fの「ジョウタロウ サイトウ カフェ」もレパートリーのひとつに。ブティックの「ジョウタロウ サイトウ」には、日本を代表するキモノデザイナー、斉藤上太郎氏が手がける着物、和装小物が並んでいます。東京で行われているファッションウィーク中にランウェイショーも行っており、例えばデニムのような洋服感覚のアバンギャルドな着物も展開、一味違ったおしゃれな和装の世界に浸れます。手持ちの浴衣に合わせたい、カラフルな色柄の帯をチェックしつつ、ブティックに併設されたカフェへ。
こちらが、知る人ぞ知るグラスデザート(1,500円)。まるでジュエリーのような色彩のフルーツは季節ごとに変わり、今の時期はマンゴーが楽しめます。太陽をいっぱいに浴びて熟したひと口サイズのマンゴーがフローズン状態で入っており、さらにはグアバやパイナップルの果肉も一緒にゴロゴロ!
スプーンを入れる瞬間はとても緊張してしまいます。なにしろあまりにも芸術的なので、崩してしまうのがもったいない。こちらはストローでチューっとするのではなく、フローズンフルーツをすくっていただくデザートです。
冷たくてほんのり甘くて超ジューシー! そしてなんという清涼感! ゴロゴロのフルーツに混ざっているゼリーがさらに、口当たりとのどごしを滑らかにしています。3種類のフルーツを交互に食べられるので、もう一口、もう一口、とスプーンを口に運ぶ手が止まりません。食べ応えがあるので、空腹も程よく満たされ、館内をもうひとラウンドできそうです。
「グラスデザート」がいただけるカフェスペースは、落ち着いた和モダンな雰囲気。格子柄に見える壁は木工細工で、シートは西陣織でしつらえられています。ショッピングの合間はもちろんですが、銀座で展示会まわりをしている合間にちょっとひと息ついたり、仕事をする空間としても重宝すること必至です。
帰りにはオリジナルのアイスバー(500円〜)をお土産に。京都の染工房の一角に設けられたアイスバーファクトリーで、一つ一つ手作りされている、まるでアートのようなひんやりスイーツは、さっぱり〜濃厚フレーバーが20種類以上。オリジナルデザインのボックス入りのギフトとしても喜ばれているそう。
これで太陽チャージの準備は整いました。さらに今回実感したことは、オンラインで手軽に購入できるショッピングはとても便利だけれど、実際にお店に足を運んでスタッフと話をしたり、試着をしながら買い物をすることがショッピングの醍醐味なんだということ。こんな時代だからこそ、コミュニケーションを楽しむ場所のひとつとしてもGINZA SIXを利用したいです。
Text: Atsuko Kobayashi Photos: Kanako Noguchi Edit: Yuka Okada(81)
GINZA SIX EDITORS Vol.97
小林 あつこ
ファッションディレクター、編集者。東京都出身、中2娘の母。2005年にアシェット婦人画報社「エル・ジャポン」に所属。副編集長を経てフリーランスに。現在は雑誌や広告などのエディトリアルやアートディレクションを中心に活動中。Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中