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GINZA SIX EDITORS

ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。

Beyond Basics: Searching for a Twist for Grownups

池田 旭香

20代までは銀座は仕事で訪れる場所だった。当時は洗練された大人の女性の街というイメージで自分には不釣り合いだと感じていたが、気が付けば四十路。そろそろ背伸びをしなくても、足を踏み入れることが許される年齢に近づいたのかもしれない。

編集部時代にオープニングで訪れて以来、展示会や打ち合わせの合間に立ち寄るGINZA SIXは、私にとって、足を踏み入れると必ず新たな発見がある特別な存在だ。思い返せば独立後すぐの打ち合わせ場所として指定されたのも、ここの13Fに位置する「THE GRAND GINZA(ザ グラン ギンザ)だった。大切な人への贈り物を探すときにも足を運んでいる。今日は時間が許す限り、自分のためだけにゆっくりとショッピングを楽しみたい。

ホリデーシーズン仕様の館内を見渡しつつ訪れたのが、4Fにある「ESSEN.LAUTRĒAMONT(エッセン.ロートレアモン)」。シンプルなフォルムとオーセンティックなモノづくりに対するこだわりが融合する、ジャパンブランドだ。普段からミニマルな中にひと匙の捻りを加えたデザインに目がない私にとっては、店内の至ところに心がときめくアイテムが点在している。

素材の良さが感じられるニットやアウターは、コーディネートに取り入れやすいベーシックなカラーが充実。ちょっとしたディスプレイにも、着こなしのテクニックが詰まっているので隅々までチェックしたくなる。

スタンドカラーのダッフルコート(74,000円 ※以下全て税抜価格)は、決してカジュアルになりすぎないシルエットと程よい抜け感が魅力。何より特筆すべきは、滑らかな肌触りと軽量感。高級ウールのスーパー100’sを使用し、シャルム加工によって美しい光沢を実現。長めのレングスは、マキシ丈のスカートを偏愛する私のスタイルにもベストマッチ。ブラックやブラウンなどのカラー展開から、今回はライトグレーを着用。

続いて思わず手にしたのが、シックなモノトーンのチェック柄が目を引くロングワンピース(43,000円)。程よい落ち感のある柔らかな風合いは、強燃のウール×レーヨンが織りなすもの。ボリューミィなカフスや胸元の長めのボウで、さりげなく個性が主張できる。

プリーツスカート(34,000円)でもクラシカルなチェック柄を発見! こちらは今季らしいブラウン系のトーンでまとめられた一枚。秋冬のスタイリングでも、どこかに軽やかさは欲しいもの。決して重くなり過ぎないほのかな透け感と、ちらりと甲が覗く丈感が絶妙だ。さりげないトレンドの押さえ方が心憎い。

エスカレーターを降りて3Fへ。続いてはパリ発のコンテンポラリーブランド「TARA JARMON(タラ ジャーモン)」。見ているだけで乙女心がくすぐられる、エレガントで女性らしいアイテムが見つかる一軒だ。世界各国のロイヤルプリンセスが着用することでも知られている。

店内に入るとまず目にとまるのが、愛らしいソファなどのインテリア。パリから取り寄せた家具やトルソーは、シャンゼリゼ通りに位置する本店とリンク。ほのかに香るデュフューザーまでも本店仕込みというから、フランスまで行かずとも、パリ気分が味わえるのかもしれない。

一枚を纏うだけでぐっと華やかになれる「タラ ジャーモン」は、シックな色合いから鮮やかなカラーリングまでバリエーションが豊富。

「何色がお好きですか?」との声に迷わず「グリーン!」と答えてオススメしてもらったのが、ラメが煌めく半袖ニット(26,000円)。クルーネックと伸縮性のあるリブは、一見、カジュアルな雰囲気。しかしラメの糸で編むことで、圧倒的な存在感と女性らしさが醸し出される。どのアイテムも甘さと辛さ、ミニマルと華やかさなど、足し引きが絶妙に計算し尽くされているのが、このブランドの特徴なのだろう。

なかでも私が惹かれたのが、表と裏でトーンが異なる左のベージュのコート(83,000円)。黒でトリミングすることで、全体を引き締めて見せてくれる。さらりとラフに羽織れるので、展示会シーズンや車移動の日など、アウターの脱ぎ着が多い時に活躍しそうだ。色違いのネイビーも含め日本限定と聞き、限定商品に弱い私は、密かに心の中で購入を誓う。

それにしても気になるのが、ハンガーに時折掛かる大橋美由紀さんのイラスト。サステナブルな活動に力を入れているこちらのメゾンでは、様々なブランドや団体とコラボすることで、女性支援や動物愛護などの活動に参加している。例えば2019年11月末まで行われていたのは、滝川クリステルさん主宰のクリステル・ヴィ・アンサンブルとコラボレーション。タグがついたアイテムを購入すると、費用の一部が動物愛護のために寄付されるという取り組み。

私的買い物タイムも、そろそろ残すは一軒。ハイブランドからジュエラーまで充実したラインナップの2Fをぐるりと巡り、訪れたのが「Bijou de M MIO HARUTAKA(ビジュードエム ミオ ハルタカ)」。遊び心あふれるモチーフジュエリーを求めて、いざ、クリームカラーで統一された店内へ。

早速、新作リングに視線が釘付け。ルビーを敷き詰めたスイカのリング(1,170,000円)は、ブラックダイヤモンドで表現された種がなんともリアル! 皮はグリーンガーネットとダイヤモンドで二層にするなど、細かな部分まで忠実に再現されている。レモンのリング(1,260,000円)も、見ているだけで酸っぱくなるほどジューシィな仕上がりだ。

あまりにキュートなジュエリーの数々に、「可愛い〜♡」を思わず連呼。「どれでも試着できますよ」とのお言葉に甘え、片っ端から試着のオンパレードを決行。

ちょっぴり迫力のあるスネークモチーフも、「ビジュードエム ミオ ハルタカ」の手に掛かれば、この愛らしい表情に変身。ダイヤモンドとサファイアがランダムに配されたブレスレット(2,100,000円)は、繊細な輝きと華奢なフォルムによって女性らしい手元に仕上げてくれる。

イニシャルリングは数あれど、一本の指にお気に入りのアルファベットを重ねづけできるデザインは希少。ひとつひとつが細身なので、4本を重ねてもこのバランス。地金がイエローゴールドとホワイトゴールドから選べ、ダイヤモンド入りもあるので、自分らしくカスタマイズできる。記念日ごとに一本一本買い足していくのも良さそうだ(指先から120,000円 172,000円 92,000円 120,000円)。

イニシャルは、アルファベットだけとは限らない。ひらがなのシングルピアス(上から178,000円 136,000円 147,000円 102,000円)を発見! つい自分の名前を見つけては、並べたくなってしまう。頭文字の“あ”とハッシュタグを片耳ずつ購入したいが、私の耳にはピアスホールがないので断念。イヤークリップやネックレスの登場を待ち望むことにしよう(※ちなみに、有料かつ後日のお渡しであれば、ピアスをイヤリングへ変更も可能とのこと。詳しくは店舗に問い合わせを!)。

楽しい時間は、あっという間。時間が過ぎるのを忘れさせるGINZA SIXは、まるで銀座に佇むエンターテイナーのような存在。早くも次回に訪れる日が待ち遠しくなっている。

Text: Asaka Ikeda Photos: Kanako Noguchi Edit: Yuka Okada (edit81)

GINZA SIX EDITORS Vol.90

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池田 旭香

エディター。1979年生まれ。香川県出身。広告出版社を経て、2006年アシェット婦人画報社(現ハースト婦人画報社)に入社。「25ans」&「Richesse」編集部などを経験し、2018年独立。現在、ファッション・ジュエリー&ウォッチを中心に幅広い分野で、女性誌やカタログの編集や企画、執筆を行っている。
Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中

ESSEN.LAUTRĒAMONT

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TARA JARMON

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2019.12.02 UP

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