[TOKYO]銀座が息づく、静かなるラグジュアリー
[SEOUL]キーパーソンが紹介、現代韓国を象徴するショップ
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Celebrating Quiet Luxury
銀座が息づく、静かなるラグジュアリー
ブランドロゴや凝ったデザインに頼らず、本質的な上質を纏いたい。新しい価値観として注目の“クワイエット ラグジュアリー”なスタイルは、銀座の老舗が培ってきた街の文化が伝える、端正で粋な美意識そのもの。
日本の伝統美に通じる、静謐という心地よさ
〈LOEWE〉
ロング&リーンなシルエットを、極薄のカシミヤで仕上げたケープ仕立てのワンピース。日本の折り紙に着想を得たシャイニーナパレザーの“ロエベ パズルトート”とともに、上質素材とフォルム美を楽しむ贅沢を堪能してほしい。ワンピース¥344,300・バッグ¥237,600・ブーツ¥312,400/ロエベ(1F)
思文閣銀座
京都に本社を構える創業80余年の古美術商。ジャンルや時代に捉われず「和の美」をコンセプトに優れた美術品を取り扱う。思文閣銀座では昨年より気鋭のキュレーターを迎えた「Ginza Curator’s Room」を展開。銀座の地を活かした独自の試みを重ねている。東京都中央区銀座5-3-12 03-3289-0001 営10時~18時 日休
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黄金の出迎えに、究極の白シャツを纏って
〈VALENTINO〉
白シャツというエッセンシャルアイテムを2種の素材で重ねて。今季のヴァレンティノの主役であるブラックのネクタイで引き締め、凛とした装いを。オーバーシャツ¥264,000・シャツ¥132,000・パンツ¥176,000(ヴァレンティノ) タイ¥35,200(ヴァレンティノ ガラヴァーニ)/ヴァレンティノ(B1F-4F)
新ばし金田中
歴史は大正にまで遡る、日本三大料亭のひとつ。初代の意志を継ぐ食い切り料理が格式高い座敷で供される。旬の素材をこだわりの器で、空間に設えた軸、花、香に至るまで五感に響くもてなしがなされる。取次の間には金屏風が。東京都中央区銀座7-18-17 03-3541-2556 営11時~15時(昼席) ※夜は紹介制 不定休
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名建築の意匠に対峙する、独創的フォルム
〈ALAÏA〉
アライアらしいニット素材のセットアップ。ボディコンシャスの表現はコンテンポラリーなフォルムへと進化。フラットな新作バッグ“ワンピース”も造形美が際立つ。アートなタイルにも呼応する存在感。プルオーバー¥397,100・パンツ¥512,600・バッグ¥338,800・ベルト¥97,900・ブーツ¥279,400/アライア(3F)
鈴木ビル
昭和4年建築の東京都選定歴史的建造物。和洋折衷の建築でアーチや円窓、布目タイルも特徴的。戦前は界隈に芝居小屋が多く、公演や稽古事に貸し出された。30年代にはクリエイティブ集団、日本工房が居を構え、現在は森岡書店が出店。銀座文化の歴史ある発信地だ。東京都中央区銀座1-28-15 ※共有部は非公開
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レトロな昭和に呼応する、令和のダンディズム
〈THE ROW〉
古き良きの洗練を伝える、ザ・ロウの美しいシャツとハイウェストのタックパンツのスタイル。カーキからトープへの抑えたカラーリングに知性が漂う。クロスボディバッグ“SLOUCHY BANANA”が現代の軽快感を添えて。シャツ¥302,500・パンツ¥229,900・バッグ¥416,900・ベルト¥154,000/ザ・ロウ(3F)
カフェ パウリスタ
1910年創業、日本最古の喫茶店。芥川龍之介や谷崎潤一郎、ジョン・レノンも来店。農園風景の銅版画を配したレトロな店内はブラジル移民事業を手がけ、珈琲文化を銀座に根付かせた歴史が香る。東京都中央区銀座8-9 03-3572-6160 営9時~20時(1階・月~土 ※日、2階はHP参照) 無休
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【Shoes & Bags】
攻めるか、守るか。
靴&バッグ、仕上げの選択は、
自分らしさを表現するエッセンス。
無難とは一線を画する、現代の上質シンプルなスタイル。真髄、最上級、遊び心……紳士淑女の熱量をひと匙。
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ベルギー王室御用達のデルヴォー。オーバーサイズバッグ“L’XXL”の新作カモフラージュ。しなやかなドリームカーフ製。〈高さ34×幅47×マチ22cm〉¥1,554,300/デルヴォー(2F)
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独自の加工でカシミヤのような質感を表現したセラピアンの“シークレットバッグ”。新色は温かみのあるイエロー。〈高さ32×幅49×マチ22cm〉¥232,100/セラピアン(3F)
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優美で女らしいパンプスが復活した今季、一歩進んだカットオフブーツを。静かなるスタイルを高めるマノロ ブラニクの洗練。〈ヒール9cm〉¥218,900/マノロ ブラニク(2F)
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1886年創業、英国発ジョセフ チーニーのウィメンズシューズ。浅めの甲と大きめのビットモチーフがアクセント。¥74,800(ジョセフ チーニー)/ブリティッシュメイド(5F)
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自社でラバーソールまで手がける1908年フランス創業のパラブーツ。定番中の定番Uチップ“シャンボード”の不変的な美しさで足元に存在感を。¥96,800/パラブーツ(5F)
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【Wear】
ラグジュアリーとは心満たす遊び。
肌に触れる着心地に酔い、
愛を持てる一着を探す旅へ。
贅沢とは何か。これみよがしに主張しないことに答えがある。求めるのは内なる充足感。銀座のごとく上品に、いいものを長く。
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シャツ生地の名門、トーマス メイソンのコットンブロードを使ったアドーアの真髄を伝えるホワイトシャツ。バンドカラーが凛とした印象。¥41,800/アドーア(4F)
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ニットとサテンの異素材コンビネーションが映える、気品あるネイビーのワンピース。NY生まれのセオリーらしい細いプリーツは細見え効果も。¥48,400/セオリー(4F)
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左は無染色カシミヤ、右はシルク100%の極上素材。大阪の老舗、リングヂャケットならではの究極の着心地。左より ¥308,000 ¥330,000/リングヂャケット マイスター(5F)
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エブールらしい上質素材、ウールサキソニーのバンドカラーワンピースは、同素材のビスチェをレイヤード。ライトグレーが上品。¥78,100/エブール(4F)
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英国のマッキントッシュの人気モデルを進化させた“ニューハンビー”。黒に近いダークグリーンのウールを、着こなしやすいAラインで。¥145,200/マッキントッシュ(3F)
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程よいモード感が人気のスタンブリー。微光沢のシルクウールのロングジレは、決まりやすいコクーンシルエット。¥86,900(スタンブリー)/ヒューエルミュージアム(4F)
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クリエイティブディレクター、祐真朋樹によるランバン コレクション メンズ。パブロ・ピカソ愛用ジャケットに着想。左から¥115,500 ¥60,500/ランバン コレクション(5F)
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ドレスウェアを再解釈したN.ハリウッド コンパイル。アウトドアから発想を得たシャツは袖のパッチにもこだわりが。¥39,600(N.ハリウッド コンパイル)/N.ハリウッド(5F)
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50年以上の歴史を持つイギリスのブランド、マーガレット・ハウエル。今季のキーカラーであるラズベリーのタイブラウスが登場。¥47,300/マーガレット・ハウエル(4F)
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ナポリ近郊のファクトリーによるパンツブランド、ブリリア 1949。長く愛用できる上質なウィメンズパンツも展開。¥49,500(ブリリア 1949)/ジェンテ ディ マーレ(4F)
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レインコートからスタート、75年の歴史を誇り、環境への配慮にも熱心なイタリアのヘルノ。メンズのツイル織りダブルコートはエターナルな名品。¥185,900/ヘルノ(3F)
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Connecting with Japan
일본과 연결되다
混濁するスタイルと、時代を切り拓くダイナミズム
ファッションとは、常に時代の空気や文化の交流を表すもの。ここではソウルのファッションシーンに影響力をもつ2組が各々の視点から選んだ現代韓国を象徴するショップを紹介する。
異色のスタイリストデュオが生み出す新たな視覚言語
スタイリストデュオ、イベギロが発明したのは新たな“言語”だった。近年のY2Kブームの美学を取り入れ圧倒的な情報量を詰め込んだそのスタイリングはまさに同時代の文化やムードを体現しており、K-POPシーンに新たな視覚言語を持ち込んだのだ。XGやYENAなどふたりがビジュアルを手掛けるK-POPアイドルもまた、シーンの中で独自の存在感を放っている。イ・ユンホさん(写真右)によれば、K-POPが韓国ファッションシーンの創造性を牽引する一方で、日本文化の影響も無視できないという。
「2000年代前半には日本のストリートファッションが大流行し、NIKEのダンクなど日本で流行ったアイテムを取り入れる人が増えました。僕らの世代のファッション観は日本から大きな影響を受けています」
他方でキム・ジウンさん(写真左)は「私は『NANA』を読んでヴィヴィアンウエストウッドに魅了されました」とマンガやアニメの影響を指摘すると、ユンホさんも好きなアーティストとして宇多田ヒカルやL’Arc〜en〜Cielの名を挙げるなど、1990〜2000年代の日本のカルチャーが多面的に自分たちのクリエイションのルーツにあることを明かす。もちろんコム・デ・ギャルソンやアンダーカバーといった日本ブランドもふたりにとって重要な存在だが、日本のポップカルチャーが育んできた想像力こそがイベギロの同時代的なスタイリングを生み出し、その縦横無尽なクリエイションが韓国カルチャーに衝撃を与えている。言語が常に異なる文化と交わりながら変容するように、韓国も日本をはじめとする海外の文化を取り込みながら自身を更新してきた。その終わりなきダイナミズムこそが、韓国のファッションを突き動かし続けているのだ。
IBAEKILHO | 이백일호
ヒップホップ誌編集者だったキム・ジウン(左)と独創的な着こなしで注目されるショップ店員だったイ・ユンホ(右)からなるスタイリストデュオ。K-POPアイドルやアーティストのビジュアルディレクションを中心に手掛ける。
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写真/1Fにベーカリー、2Fはイートインスペース、3Fにウェアやアクセサリーの売り場があり、4Fはアーティストの展示スペースを備えた複合型。階段を上がるごとにクエストが現れるRPGゲームをイメージした。超新星に出会うRPGゲーム型複合セレクトショップ
키집(キジップ | KIZIP)
特定のアニメやゲームに熱中しインターネットを駆使して徹底的に対象について掘り下げて、自らも二次的な発信を始める「オタク」的精神は、カルチャーを受け止め担っていく運動そのもの。イギリスでコスチュームデザインを学んだソン・テヨンさんは、思春期に感じた「唯一だと思い込んでいた自分、決まった公式から外れる楽しさを教えてくれたおもちゃ」であるファッションを、今は届ける側になった。取り扱うのは国内のブランドと、インドネシアやメキシコなどのブランドと縦横無尽。グローバルな人気を集めるガールズグループを手掛けるスタイリストたちも通うのは言葉通り「ここにしかないもの」があるから。
●Shop Information
Address: 龍山区セチャン路14ギル8/8, Saechang-ro 14-gil, Yongsan-gu
Open: 13:00 - 21:00
Closed: 月曜
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写真/倉庫のような三角屋根の建物に入ると、内側に全面LED液晶パネルのメディアウォールが出現。ディスプレイを設けず内部が見えない設計は、かえって道ゆく人の好奇心をそそる。右は韓国ブランドeunoiaのブルゾン(₩238,000)。圧倒的なボリュームと流動性にKファッションを体感
엠프티(エンプティー | EMPTY)
韓国最大級のECプラットフォーム「MUSINSA」が2022年9月にオープンしたオフラインショップ「EMPTY」。空っぽを意味するその名前は、中身の彩りでそれを満たしていける可能性の段階を示唆する。洗練されたハイブランドから、いびつなパワーが残るインディペンデントまで、未来を切り開く実験的なアイデンティティを持つモード系ブランドが集まり、ユンホさんも「ソウルで最も格好いいショップ」と躊躇なく答える。インテリアの配置やポップアップで紹介するブランドが1カ月に1回以上変わり、訪れるたびに発見がある。このなかで起こるテイストの交差やスピード感はKファッションを体現しているようだ。
●Shop Information
Address: 城東区聖水二路97/97, Seongsui-ro, Seongdong-gu
Open: 11:00 - 20:00 (金・土 11:00 - 21:00)
Closed: 無休
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写真/コムデギャルソン、イッセイミヤケ、ヨウジヤマモト、カンサイヤマモトをはじめ、マルジェラやゴルチエも多く揃える。当時のランウェイ写真をハンガーに掛け、過去との接続を感じられる仕掛けも。90年代カルチャーと密接に繋がるシックな古着の逆襲
아심(アシム | ASYM)
除隊後に美容師として働き、そのさなかに出会ったヴィンテージに引き込まれ、好きが高じてオンラインストアを開始。コロナ禍の2021年3月に梨泰院(イテウォン)にショップを構えた。オーナーのソン・ドゥソンさんは90年代から2000年代初頭の日本のポップカルチャーが放つ、思い切りのいい享楽的なムード、勇敢さ、がむしゃらさに刺激を受けて当時の空気を宿したデザイナーズブランドを買い付け。「Y2Kの流行は韓国のアイドルグループが火付け役になったと思いますが、源泉をたどると、日本の音楽グループや芸能人のスタイルに突き当たる。時代を超えた文化現象の往来から世界的なムーブメントは生まれていると思います」
●Shop Information
Address: 龍山区梨泰院路14ギル12/12, Itaewon-ro 14-gil, Yongsan-gu
Open: 13:00 - 20:00
Closed: 日曜、火曜
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写真/「完全」を意味する数字の8とディレクターが敬愛するイギリスのバンドJOY DIVISIONを合わせて名前が誕生。「彼らは伝説となって残ったが、私たちは人々と一緒に呼吸していきたい」と意気込む。ステレオタイプではない生き方を志向する人のために
에이트디비젼(エイトディビジョン | 8DIVISION)
「セレクトの感度はとても鋭く、その一方で、ファッションを一通り味わい尽くし、洗練を求め始める30代の男性が、素直に身につけたいと思えるようなミニマルなラインナップも揃っている。2015年から明洞(ミョンドン)にショップを構え、品格を保ち続け、このエリアを支えているように感じるお店です」とイベギロ。テック素材を用いた無機質な質感と大胆なパターンメイキングが注目の新鋭ブランドXLIMや、韓国のフォトグラファー、チョ・ギソクが立ち上げた「失敗する権利」をコアメッセージとして掲げるアパレルブランドKUSIKOHCなど、幅広いテイストに渡るハイクオリティな韓国ブランドを一気に見ることができる。
●Shop Information
Address: 中区退渓路18ギル31/31, Toegye-ro 18-gil, Jung-gu
Open: 12:00 - 20:00
Closed: 無休
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情緒と気品は、
適切な余白に宿る
大人にこそ味わってほしい、静謐なソウルの風格
多種多彩なトレンドの明滅に瞬発力で反応し、自分らしさとはなにかとアイデンティティを模索した時期もあるだろう。しかし、そんな日々を経て自分の趣味趣向にだんだんと一定の方向性を見つけ、あらためて身の回りの衣食住について考えるとき、スピーディに変わっていく流行に追従するものや、華美であるものよりは、静かで、長く愛着を持ち続けることができて、平常心に寄り添うものを見極めたいと願うタイミングが大人にはやってくる。
ファッション雑誌『InStyle KOREA』などでファッションエディターを長く務め、現在はフリーランスの編集者、作家として活躍しているイ・ミンギョンさんは東京での6年間の暮らしを記録した著書『도쿄 큐레이션(東京キュレーション)』で建築やインテリア、器、料理などの生活全般に通じる日本の「侘び寂び」の精神を観察者の視点から捉えた。
「余白に重きを置く心構えは韓国の文化にも昔からあって私も親しみを感じています。日本での生活を通して、その思想がさらに深まったと感じています。内面を深く覗きこみ、好奇心に素直でいる。ときに過去や古い時代を振り返り、郷愁や余韻を発見する。そういった長い時間軸のなかで落ち着いて自分を整えることができ、周りのことを考える価値観や態度が育まれたと思います。自分の装いやライフスタイルも、頭の先からつま先まで着飾るのではなく、隙間を感じさせるリラックスしたスタイルが好きですね」
そんなイ・ミンギョンさんが紹介してくれたのは、作り手の堅実なスキルと創作の痕跡が表現されながらも、ミニマルな現代性を感じるプロダクトに出会える場所。GINZA SIX magazineの読者へ、凛々しいソウルの姿が見えてくる、特別な4つの目的地をキュレーションしてもらった。
Jennifer Minkyung Lee | 이민경
イ・ミンギョン/作家、フリーランス編集者、コラムニスト。ファッションやライフスタイル雑誌でのコラム寄稿、ギャラリーの展示企画や、大型ファッション企業やデパート、建築事務所との協業を通して、様々なライフスタイルコンテンツを制作する。ファッションをテーマとした次の書籍も執筆中。
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写真/BLACKPINKのメンバーなど多くのセレブやインスタグラマーに愛される。2022年オープンの旗艦店は大使館が並ぶ閑静な龍山(ヨンサン)エリア。世界的な建築家スン・ヒョサン率いるIROJEとともに設計した。ダブルジャケット(₩698,000)。堅実なデザイン経験が生む、インターナショナルな気品
잉크 플래그십 스토어
(インク フラックシップ ストア | EENK Flagship Store)
「EENK」のデザイナー、イ・ヘミさんは、韓国で服飾を学び、大手アパレル企業で10年以上のキャリアを積んだのち、2014年にブランドをスタートさせた実力者。襟元やパーツ選びに至るまで独自のディテールが息づくアイテムは、独立心を大事にする女性に支持され、2022年から発表の場をパリファッションウィークに移し国際的な人気を集める。作業場やスタッフとの和やかな関係性など、心地よく健康に仕事に打ち込める環境や、チーム作りもクリエーションの一部として考えて整えてきた。「誰かにどう見られるかよりも、自分としてどうありたいのか。着る人の自尊心が自然と高まっていくような服をこれからも届けたいです」
●Shop Information
Address: 龍山区長門路43 3F/3F, 43, Jangmun-ro, Yongsan-gu
Open: 11:00 - 20:00
Closed: 無休
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写真/取材時に開催されていたのは韓国のガラス作家Taehoon Leeさんの個展。有名無名、若手や年長者を問わず、「もの派」が重視した素材への意識や、MONOHAのフィロソフィーと通じ合う作家の作品を展示。現代工芸と響き合うミニマルな日常着
모노하 한남(モノハ 漢南(ハンナム) | MONOHA HANNAM )
韓国に生まれて、日本の大学で哲学を学んだのち、今なお国際的に活躍する美術家・李禹煥が先導した70年代の日本現代美術の動向「もの派」へのリスペクトを込めて、ブランド名に冠する「MONOHA」。風情ただよう中庭の緑を通り抜けてショップへ入ると、韓国の作家の作品を展示するギャラリー空間が広がる。2階には、端正なパターンと柔らかい色調のオリジナルウェア、MONOHAの視点で選ばれたライフスタイルグッズが並ぶ。「幅広いシーンに馴染む上質な服でありながら合理的な価格。たくさんのアイテムをこれまでに買ってきました。友人のプレゼントを選ぶときにも必ず欠かさずチェックするお店です」とミンギョンさん。
●Shop Information
Address: 龍山区読書堂路36/36, Dokseodang-ro, Yongsan-gu
Open: 11:00 - 19:30
Closed: 月曜
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写真/撮影のために日本を訪れることも多い3人。ディレクター自らスマートフォンで撮影したような動画をインスタで発信するなど、親しみやすい気軽な手法でユーザーとの交流を図る姿勢もまた現代的。人と人の交差から生まれた軽快なユーティリティウェア
누마레(ヌマレ | NOUVMARÉE)
日本、イタリア製の上質な素材を用いてコンセプチュアルに構築するメンズウェアブランド「NOUVMARÉE」のデザイナーのチョン・ジョンボムさん(写真中央)は、服作りの技術を独学で身につけた。先入観がなく「手探りだったからこそ服と触れあう時間が長く、研究的な態度で独自のスタイルを模索できた」と振り返る。友人で、お互いの仕事を尊敬するスタイリストからの依頼でBTSが着用する衣装を制作するなど、実力を発揮する場は幅広い。2022年にスタートした「ÉÉ」は共同ディレクターとしてリュ・ユンヒョン(左)さんとユン・グァンニョン(右)さんを迎え、よりラフに日常に寄り添うカジュアルウェアを提案する。
●Shop Information
Address: 城東区聖水二路14ギル3/3, Seongsui-ro 14-gil, Seongdong-gu
Open: 12:00 - 20:00
Closed: 無休
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写真/金属と天然石を用いた金属工芸作家として、自身も制作を行なっているオーナーの母の名前を冠したお店は、まるで誰かの家に招かれたときのように、ゆっくりとクラフトと向き合える空間だ。ものづくりの起源と結びつくクラフトを生活のなかに
이예하(イイェハ | yiyeha)
「さまざまなビンテージオブジェや現代の作品が散りばめられているのにひとつの脈絡が感じられる。それは、もの選びに確かな美学があるからでしょう」とミンギョンさんが尊敬の思いを語るのは、プリミティブな骨董品、韓国の作家が作る器やオブジェ、アクセサリーを取り扱う「yiyeha」。大切にしているのは“オリジン(起源)”を感じられ要素が宿っているか。石や木、土、金属など、素材そのものの慎ましく力強い佇まいに惹かれるというオーナーが集めた物は、私たちの普段の暮らしとのマッチングを実感できるよう、白い壁とミッドセンチュリーの家具でしつらえた、コンテンポラリーな空間に並べられている。
●Shop Information
Address: 鍾路区三清路140-1 2F / 2F, 140-1, Samcheong-ro, Jongno-gu
Open: 13:00 - 19:00
Closed: 日曜、月曜、火曜
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[TOKYO]
Edit & Styling & Text: Hiroko Koizumi
Photos: Kazuki Nagayama (models / S-14)、Asa Sato (items)
Hair: Shotaro (SENSE OF HUMOUR)
Makeup: Akiko Sakamoto (SIGNO)
Models: Io (TOMORROW TOKYO)、Keisuke Asano (Donna)
[SEOUL]
Edit & Text: Yoshikatsu Yamato、Shunta Ishigami(IBAEKILHO / MOTE)
Photos: Hana Yamamoto、Teamin Ha (IBAEKILHO & Jennifer Minkyung Lee)
Coordination: Shinhae Song (Seoul / TANO International)
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