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GINZA SIX EDITORS

ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。

Discovering the Joys of Japan’s Leading Gourmet Cuisine

小松 宏子

銀座の真ん中にありながらGINZA SIXは、全国の食文化や素材の素晴らしさに触れられるスポットでもあるのです。個性派ぞろいのレストランやバーの中から、日本という国の風土の魅力を伝える3軒を選びました。

最上階13Fにある「THE GRAND GINZA(ザ・グラン 銀座)」は、GINZA SIXの飲食店の中では最大面積を誇るお店です。ラウンジやレストランからバンケット、茶室までいくつかのスペースに分かれ、さまざまなニーズに応えてくれます。今回ご紹介するのは47都道府県から取り寄せた旬の食材をフランス料理の技法を用いて提供するレストラン「THE GRAND 47」。訪れた昨年12月のテーマは食材の宝庫・北陸。かぶら寿司やいかの黒つくりをアレンジするなど、北陸の伝統の味をちりばめながら、洗練されたコース料理に仕立てています。しかも、福井が誇る銘酒、黒龍がグラスでいただけるという粋なペアリングも。小旅行気分で優雅なひとときが過ごせます。

前菜は「北陸の伝統 押し寿司のインスピレーション ズワイガニと寒ブリ 野菜のキューブ」。郷土料理かぶら寿司に着想を得て、日本海の冬の幸が繊細なフレンチに昇華。色とりどりの料理がお皿の中に並んださまは宝石箱のようで、どれから食べようかと悩むほど。黒龍とのマリアージュが、味わいの楽しみを広げてくれます。

主菜の魚料理は「黒つくりで熟成させた鱈のポワレと白子のムニエル 太ネギのアラクレームと白ワインソース」。黒つくりとは富山の郷土料理で、いかの塩辛にいかすみを加えた珍味です。そのたれをまぶして熟成させることで、鱈がいっそう滋味深い味わいに。とろけるように甘い、太ネギをソースにしたあたりはさすが。フランスで修業したのち、神戸北野ホテルで研鑽を積んだ斎藤隼人シェフの腕が光ります。「お客様がそのエリアに興味を持つきっかけになれば本望です。来年はもっと産地に出向きたい」と意欲を燃やしています。

デザートは3品の中から「北陸産の酒粕と柚子のチョコレートミルフィーユ」をチョイス。

ふんわり舌の上でとろける酒粕を加えたチョコレートムースと香り高い柚子のコンビネーションが抜群。こちらのランチコースで3,800円(以下、全て税別価格)とお値段も良心的。デザートで満たされる頃には、次のテーマとなるエリアがどこかしらと、楽しみになっているはずです。

食後にぜひ訪れたいのが、同じ13Fの「MIXOLOGY SALON(ミクソロジー サロン)」という粋なバーです。ミクソロジーとはさまざまなアルコールに、ハーブやスパイス、フルーツなどを組み合わせて錬金術のごとく新しいカクテルを作り出す、近年のバーの新潮流。なかでも、こちらのサロンのテーマは“茶”。ほうじ茶、抹茶、中国茶、紅茶とあらゆるお茶を使ったカクテルが揃います。オーナーバーテンダーは世界的にも有名な南雲主于三さん。チーフバーテンダーはキュートな佐藤由紀乃さん。

すっきりと高貴な香りと味わいで人気が高い、ジャスミンティーベースのカクテル「ジャスミンティーテイルNo1」(1,600円)。ジャスミンティーにグレイグースウォッカ、エルダーフラワーリキュール、カルバドスをミックスした琥珀色の液体が大振りのワイングラスに注がれると、エキゾチックな香りが立ち上ります。食前、食後はもちろん、昼下がりにもふと飲みたくなるい、蠱惑(こわく)的なカクテルです。

もう一つご紹介するのが、温かな抹茶のカクテル「抹茶のゴットファーザー」(1,600円)。白州12年とアマレット、沖縄県産黒糖を茶碗に入れ、茶筅で泡立てる美しい所作に見とれてしまいます。食後のエスプレッソがわりにいただくにも、最高の一杯です。ときには、カクテル3~5杯で起承転結のあるカクテルコースを構成してもらい、じっくり楽しんでみるのもよいでしょう。

最後は、出汁と旬にこだわった素材に丁寧に手をかけた料理が自慢の「旬菜三山」。お弁当や一品料理の販売スペースの横に、イートインカウンターがあることを覚えておくと、お買い物の途中などに便利です。一番人気は炊き込みご飯御前(1,250円)。なにしろ、信楽焼の第一人者・中川一辺陶作の土鍋で1日に6~7回ご飯を炊き、炊き立てを出すのですから、とびきりの美味しさも頷けます。鶏の照り焼きに季節の野菜の小鉢がついたバランスのいいセットなのも嬉しい点。テイクアウトのお弁当はれんこんきんぴらやほうれん草と湯葉の煮びたしなど、野菜も豊富な二段弁当(2,000円)がよく出るそう。数が必要なときには予約をしておくと安心です。

Text:Hiroko Komatsu Photos:Akiko Fukuchi Edit:Yuka Okada

GINZA SIX EDITORS Vol.70

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小松 宏子

フードジャーナリスト。祖母が料理研究家の家庭に生まれる。広告代理店勤務を経て、フードジャーナリストとして活動。各国の料理から食材や器まで、“食”まわりの記事を執筆。料理書の編集や執筆も多く手がけ、『茶懐石に学ぶ日日の料理』(後藤加寿子著・文化出版局)では仏グルマン料理本大賞「特別文化遺産賞」、第2回辻静雄食文化賞受賞。
Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中

ザ・グラン 銀座

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ミクソロジー サロン

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旬菜三山

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2019.01.11 UP

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