Drinking Solo Guilt-Free
ギルティフリーなソロ飲みにトライ!
美味なる液体とはなんと罪深きものか…。いえいえ、そんな時代はもう終わり! 美味しく楽しく飲むことが、世の中に役立つことだっていっぱいある。その味わいに感動したら、背景にも耳を傾けてみよう。GINZA SIXにはふらりと気楽なソロ飲みにも嬉しい、心地よい特等席が待っている。いつでも特別な一杯をどうぞ。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊
<001>
“環境に配慮して栽培された珠玉の焙じ茶に心酔”
MIXOLOGY SALON
写真/1枚目. 焙じ茶をウオッカに漬けて香りを移し、カカオやカラメルなどをブレンドしたカクテル ¥1,540。味わいは日々進化中。茶のカクテルと心静かに向き合う
フルーツやハーブ、スパイスはもちろん、ときには驚くべき素材を多様な技法で細密に組み合わせ、科学と芸術を融合したような唯一無二のカクテルを創り上げるミクソロジスト、南雲主于三さん。その南雲さんがお茶をテーマに立ち上げたバーが「MIXOLOGY SALON(ミクソロジー サロン)」だ。煎茶、玉露、抹茶、紅茶、焙じ茶など、厳選された様々な茶葉を使い、他では味わえない個性的なカクテルを楽しめる。ここで注目したいお茶が、長崎県にある東坂茶園の焙じ茶。3代目の東坂幸一さんは研究熱心な茶農家で、環境保護への意識も人一倍強いのだそう。佐賀県嬉野市にも隣接する茶の名産地、東彼杵町で5年以上、無農薬無施肥の茶葉を栽培している。“クラフトティー”とも呼ばれる、丁寧な製法で作られた焙じ茶を存分に生かしたカクテル「Circulo(シルクロ)」は、清々しい茶畑の風景を脳裏に思い描きながら、ひとり静かにその余韻に浸りたい。
ミクソロジー サロン(13F)
写真/ A・B. まるで茶室のような店内は少々緊張感を交えつつも、一口味わえば茶の和やかさに満たされてリラックスできる。C. 緑映える東坂茶園。除草剤を撒かず雑草を生やすことで畑の保湿性が上がり、土壌の微生物も増え、最後は刈り取って緑肥に、という循環型農業を目指す。Shuzo Nagumo
Profile:南雲主于三/スピリッツ&シェアリング代表取締役。カクテルの概念を超えた新しい価値を常に生み出し、ミクソロジストの第一人者として知られる。シンガポールに新店もオープン。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊
<002>
“素材を無駄なく使い感銘のエレガントな味わい”
IMADEYA GINZA
写真/「nondo(ノンド)」の「権化 どぶろく完全発酵 木桶無濾過 水もと仕込」500ml ¥3,630、ミトサヤの「プティ オレンジ」500ml ¥8,451
今飲むべき酒をサクッと立ち飲みで
日本酒、日本ワインを中心にピカイチの品揃えを誇る酒販店「IMADEYA GINZA(いまでや銀座)」。スタッフの白土暁子さんにお勧めされたのが、本来なら酒造りで真っ先に除去されるはずの米糠を使った、全く新しい発想のお酒!「造り手の佐々木要太郎さんは、岩手県遠野でオーベルジュ『とおの屋 要』を営み、自ら料理を作り、田んぼを耕し、その米で酒も造るという持続型農業を目指している人。ミミズが元気に土壌を肥やした自然農法のお米は本当に美味しい。だから糠も捨てずに丸ごと無駄なく全部使い切りたい、という思いから生まれたお酒です」。一口飲めば、その洗練された味わいに驚き!そしてもうひとつは、某一流ブランドがジュースに使った最高品質のオレンジの皮を再利用した「mitosaya(ミトサヤ)」のクラフトスピリッツ。芳醇な香りに癒されながら、食品ロス、ゼロウェイストなど捨てずに得られる豊かさの意味を再度考えてみる。
いまでや銀座(B2F)
写真/A. 気軽に立ち寄れる角打ちカウンターは、ひとり客同士で会話が弾んでいることも多いとか。B. お酒に合うつまみも豊富。製造者はウクライナ支援も行う「アジカ味噌」90g ¥1,080、海の豊かさに貢献するシーベジタブルの「そのまま干した すじあおのり」7g ¥498Akiko Shirato
Profile:白土暁子/いまでやの“目利き”として、お酒の仕入れからイベント企画、飲食店営業など幅広く対応。多方面で活躍する人々とのコラボイベントも多数開催。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。
※掲載した2種のお酒はGINZA SIX magazine配布期間中(6/1〜7/23なくなり次第配布終了)のみ角打ちカウンターで提供予定
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊
<003>
“サステナブルなものづくりが美味しさの理由に”
J.W.C LIBRARY
写真/遊佐蒸溜所「YUZA シングルモルト ジャパニーズウイスキー ファーストエディション2022」と、ガイアフロー「シングルモルト日本ウイスキー 静岡 プロローグK」。
希少なウイスキーをゆっくり贅沢に楽しめる
日本の希少なウイスキーを多数揃え、その魅力を伝える「Jule’s Whisky Collection(ジュールズ ウイスキー コレクション)」が、隣に“LIBRARY”を冠した新たなスペースを設けてオープン。フロアが広がり、商品の充実度もぐんとアップ。「美味しいウイスキーを造るには、自然に囲まれ、豊かな森ときれいな水があることが必須条件です」と話すのは、店長の岩田なつみさん。ゆえに環境保護に力を入れている蒸溜所が多いそう。例えばガイアフロー静岡蒸溜所では、専用の浄水器を導入した水の浄化や、綿密な計画による森林伐採と植林など、自然環境を永続的に守るための様々な活動を行っている。さらに山形の遊佐蒸溜所は、日本が最も遅れているといわれるジェンダーフリーに創業時から取り組み、「東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2022」でSDGs賞を受賞。そんな興味深いストーリーに思いを馳せつつグラスを傾けるのも、ソロ飲みの楽しさのひとつだ。
ジェイ.ダブリュ.シー ライブラリー(B2F)
写真/A. カウンターとテーブル席があり、置かれた木樽はかつて蒸溜所で使われていたもの。試飲は1杯¥500〜¥800と手頃な価格帯も多い。B. 年代物やデザイン性に優れた希少なコレクションボトルがずらりと並び、店内はまるで美術館のよう。Natsumi Iwata
Profile:岩田なつみ/ウイスキー好きだった母親の影響で、ジュールズ ウイスキー コレクションオープン時より店長に。その背景のストーリーに惹かれ、各地の蒸留所へも熱心に足を運び見聞を広めている。
※掲載した2種のウイスキーはGINZA SIX magazine配布期間中(6/1〜7/23 なくなり次第配布終了)のみ試飲提供予定
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊
<004>
“持続可能な食を見直し
真の豊かさを味わおう”
EATALY
写真/キナラチーズのバルサミコがけ、アンティパスト・ミスト・オルトラーナ、グルテンフリーパスタのクルダイオーラにワインを合わせたギルティフリーセット ¥2,980(各単品でも注文可)。
イタリアのリアルな食文化を気ままにバールで
イタリア各地の高品質な食材を揃えたレストラン&マーケット「EATALY(イータリー)」。食を通して、イタリアの伝統、風土、食文化をリアルに体感できる場所だ。イタリアといえばスローフード発祥国だが「イータリーの存在意義そのものが、SDGsの考え方に近いんです」と店長の桑村和也さん。大量生産品を安く販売するのではなく、少量でも品質の良いものを適切に紹介することで、持続可能な社会を形成することができるのでは? という考えを発端にマーケットが運営されている。無農薬で収量を落とし、遅摘みブドウを澱ごと貯蔵した、まろやかでふくよかな味わいのオーガニックワイン、ウマニ・ロンキ社の「カサル・ディ・セッラ」に合わせるのは、仔牛の胃袋の代わりにアザミ科の植物からできたレンネット(凝乳酵素)を使ったキナラチーズや、グルテンフリーのパスタ。もりもり食べて飲んでも心は軽やかに!
イータリー(6F)
写真/A. スタイリッシュなカウンターはソロ飲みのメッカ。B. メニューの食材は購入も可能。キナラチーズ250g ¥3,900、同パウダー90g ¥1,380、オーツ麦のフジッリ250g ¥620、ワイン「カサル・ディ・セッラ」750ml ¥2,966Kazuya Kuwamura
Profile:桑村和也/国内旗艦店の銀座店店長。サッカーからイタリア文化に興味をもち、イタリアワイン歴18年。休日はマーケットの食材で料理とワインを楽しむ。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。
※掲載したセットメニューはGINZA SIX magazine配布期間中(6/1〜7/23 なくなり次第配布終了)のみ提供予定
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊
<005>
“一杯のコーヒーで世界の平和と幸せに貢献”
GRAND CRU CAFÉ GINZA
写真/コーヒーセラーオーナーのための会員制だがビジター利用も可能。カップはオールドノリタケ、アイスはバカラのグラスで。パナマのコトワ農園(ボトル左)は自然と共生した農園開発に力を注ぐ。非日常を味わえる究極のコーヒー
まるで上質なワインのように繊細で奥深い複雑味と泉のような清らかさ。コーヒーの常識が覆るほどの味わいに、しばし言葉を失う。そしてエバンジェリストによる流麗なサーブにもうっとり。ここはコーヒーハンターのJosé.川島良彰さんが40年以上にわたる経験をもとに、世界最高峰のコーヒーだけを集めた愛好家のためのサロンだ。シャンパンボトルに入ったコーヒー豆は1本1万円以上と高額だが、そこにはそれを超える壮大なストーリーが詰まっている。「SDGsはウインウインであることが大事。農園で働く人たちが安心して幸せに暮らせることイコール、私たちが美味しいコーヒーをずっと飲み続けられるということなんです」と川島さんは、「サステイナビリティ・ゴール」という目標を設け、農園管理、自然環境、人権など全ての取り組みを達成した生産者の豆のみを適正に扱う。夢のような美味しさを知ることで、遠い地の誰かに幸せを届けられるかも。
グラン クリュ カフェ ギンザ(13F)
写真/A. グアテマラのサン・セバスティアン農園(ボトル右)は川島さんのコーヒー人生の原点となった場所。20年以上前から環境に配慮し、労働者や地域住民のために先進的取り組みを行っている。José.Y. Kawashima
Profile:José. 川島良彰/ミカフェート代表取締役社長。2007年に日本サステイナブルコーヒー協会を設立し理事長に。自然環境と人権を守りながら美味しいコーヒーの生産者の市場作りと維持に尽力。
◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊ ◊
Edit: Mayuko Yamaguchi (Food Contents)
Text: Kaori Ezawa
Photos: Tetsuya Ito
Illustrations: Yoshifumi Takeda
ーーーーー
『GINZA SIX magazine』の
ほかの記事をチェック!
ーーーーー