GINZA SIX EDITORS
ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。
ショートトリップ感覚でキレイが覚醒 Beauty Awakens on a Short Trip
永富 千晴
デパートのコスメティックフロアは、仕事の合間によくぶらぶらと覗きます。渋谷、二子玉川、六本木。そして新宿、銀座。その街、その地域の特徴がフロア全体の空気感となっているのを肌で感じとれる場所。
実はほとんどの商品のことは知っています。でも、カウンターのスタッフはどんなふうに説明するんだろう? どうやってキレイに導いてくれるのだろう? 好みのメイクの女性には話かけて“それ、どうすればできる?”なんて聞けるのもぶらぶらの醍醐味。今日はいま一番話題のスポットGINZA SIXをぶらぶらしてみました。
GINZA SIXのコスメティックフロアといえば、各ブランドの世界観にどっぷりと浸れる劇場型ショップが多いことでも有名。だけどいい意味でも悪い意味でも広い! ただ、不思議と疲れないんですよね。むしろ心や頭のヘトヘト感を忘れさせてくれるほどのトキメキに出合えることがGINZA SIXの魅力。お気に入りのELLE caféでスイーツを食べてから、何とも上品な佇まいの「クレ・ド・ポー ボーテ」をまずは探索です。
日本の多くのセレブリティからも愛されているブランドであると同時に、肌と心、そして脳をつなぐ、そんな一歩先のキレイを牽引している日本を代表とするラグジュアリーブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」。でも肌と心と脳をつなぐ? …なんとなくの感覚では理解できても、引いて見ているだけじゃダメ。
ということで、一歩足を踏み入れてみましょう。
おぉ! 足が楽。なぜって、ふかふかの絨毯なのですよ。店内の空間は、建築家・田根剛氏とのコラボレーションによるもの。光のアートワーク“ブリリアントセル”がお出迎え。壁には浄化効果のある素材を使っている面もあるというから疲れが取れていくのかしら。キラキラと輝く店内はベージュトーンで統一され、まるで美しい肌色のよう。
奥へ奥へと入っていく導線なので、“ちょっと見たい、触りたい”というだけだと敷居が高そうに感じますが、“少し拝見してもいいですか?”と一声かければ気持ちも楽に。
まるでVIP席のようなラグジュアリーなソファに座らせていただき、肌悩みを聞いてもらっている間、最高峰のスキンケアクリーム〈ラ・クレーム n ¥60,000 ※以下全て税別価格〉を使いながらのハンドマッサージを堪能。
しかもこの贅沢はサービス、というから思わず“ええ?!”と笑顔がこぼれると同時にちょっぴり恐縮。
天井を見上げるとオーロラのように輝くのは光に反射する角層。そして中央什器は、美しい六角系のキメが育まれていく様子を想起させるつくりに。
まるで自身がひとつの細胞になったような錯覚さえも。“肌本来ってこーゆうキラキラと光る美しさなんだな”というイメージがすっと浮かんでくるから不思議! これもブリリアントセルと、壁の浄化効果のひとつなのかしらね。
普段生活していると、つい現実的になりすぎて、このたるみにはコレ!と頭デッカチな美容になりがち。自分のキレイにストップをかけているのは、自分自身? そんな疑問さえ湧いてきてしまう。濁っているのは自分の心。このキラキラと光るゴールドの細胞のイメージを心に焼き付けておこう。そんな忘れかけていた希望を取り戻せてしまうからこそ、美容は素敵なのです。
接客してくださった女性の観察も大好き。タイミングがズレればまた違う方が接客だったはず。ということはこれも何かの縁と、私は捉えてしまうほう。
これから春に向かって、素肌っぽいメイクをしたい。だけど、お化粧がキレイ、というより、肌、そのものがキレイに見えるファンデーションを探していることを伝えると、“ぴったりの物があります。お試しになってみますか?”と、肌に合う色をささっとチェックして、手元で試させていただいたのは〈ル・フォンドゥタン ¥30,000〉。
〈ラ・クレーム n〉のトリートメント力はそのままにクリーム由来のファンデーションは作ることができないのか? そんな発想から開発の始まった全く新感覚&新次元のファンデーション〈ル・フォンドゥタン〉。クリームのように塗るだけで、瞬く間になじんでしまう。まるでオーロラの輝きのごとく、角層そのものが美しい肌色になりすましてしまったかのよう。
写真を見ていただければわかると思うのですが、どこに塗っているかわからないくらいでしょ? でも日焼け名残のある乾燥した手の甲が、なんとも官能的な艶やかと透明感のオーラが増していく。
その上、肌への負担感が全くなく、絶妙なさじ加減のトリートメント感が続くのも利点。「この1つで3カ月、いや、もっと持つ方は大勢いらっしゃいますし、お仕事と家事との両立でお化粧を直す暇もスキンケアをじっくりとする時間もない、という女性にもとっても評判なんです」。これを使ったらもう戻れないかも! というファンデーションとの出合いは、そう滅多にない。しかも〈ル・フォンドゥタン〉を纏うことで、汚らわしい物を寄せ付けない神々しさが肌に宿ったかのような錯覚を覚えてしまう。もし「クレ・ド・ポー ボーテ」に興味があるならば、まずGINZA SIXのこの空間に足を踏み入れてみると、ブランドの真髄が見えてくるはずだ。
そして奥のエステスペースを覗かせていただくと、まるで宇宙空間のようなスペイシーな部屋が1室。こちらはシナクティフの個室エステルーム(予約制)。
帰り際に、対応してくれたスタッフの方にとても気になっていたことを聞いてみる。…ねぇ、その長くてふさふさとしたまつ毛、どうしたらできるの? すると、コソっと教えてくれたのがマスカラを使った裏技。こういった使いこなしているからの技を聞けるのも、店頭ならではの醍醐味。またネタがひとつと増えましたよ!
次に向かったのは、〈メゾンデコルテ〉。
文句なしのかわいさ。といってもベタなかわいらしさではなく、日本人にはない発想の色使いだったり、見たことのない壁だったり…と、すべてがファンタスティック! もう、何といっても気に入ったのが床に敷き詰められた色とりどりの花々がモチーフの絨毯。“一歩踏み込んだ瞬間から、あなたの美しさを開花させる旅がはじまる”…自然の力にインスピレーションを得た、アーティスティックな絶対空間、そしてプロダクトデザインも、オランダ人デザイナー、マルセル・ワンダース氏によるもの。オリジナルデザインもあれば、実際インテリアショップで購入もできる椅子や照明なども置かれ、〈メゾンデコルテ〉が提唱する六感美容をダイナミックに体感できます。
横に長く、そして奥へと広がる店内は、スキンケア&メイクコーナー、トリートメントコーナーとわかれているんですが、トリートメントコーナーの素晴らしさといったら!
全くイメージの異なる3つの部屋「Calm」「Frozen」「Shield」が。一番に気に入ったのは、シャワーブースも設置されている「Calm」。
静けさと穏やかさに満ちたこの空間は、照明の陰影が影となり、揺らぎとなり、まるで水面のゆらめきや水鏡の煌めきが、空間を立体的に演出。さらにそれぞれのルームコンセプトに合わせたヒーリングミュージックと香りで、美の感覚を全方向から研ぎすませてくれるんです。店内でもそうだけど、ここは銀座、しかもショッピングモールの中であることも忘れてしまうほどの異空間。やはり、このお部屋が一番人気。
トリートメントを受けた後は、メイクアップをできるドレッサールームヘ。(Calmは部屋内に単独のドレッサーがついています)。
こんなドレッサーなら毎日出かけるのが楽しくなりそうですよね! 収納の参考にもしたいもの。
ちなみにトリートメントメニューは、フェイシャル、ボディ、フェイシャル&ボディ、オプションメニュー、そしてブライダルメニューと充実。すべて肌に合わせてオーダーメイド感覚。ミクロ単位にレーザーカットされた天然ダイヤモンドで肌表面を滑らかに整える美容器機なども導入。フェイシャルは60分¥20,000~。なんと最高峰の夢のクリーム〈AQミリオリティ インテンシブ クリーム ¥120,000〉を一瓶使った180分¥100,000という究極のオーダーメイドメニューもあるので、どなたかお受けになられましたら是非、ご一報ください。その肌、触らしていただきたい!!
私は今月、仕事の合間を狙い、80分のフェイシャルを予約することにしました。だって、こんな六感美容を味わえる空間でのトリートメントって…楽しみです。
刷新したコスメデコルテのメイクアップ類や各種スキンケアは入り口付近にあるため、気兼ねなくチェックしやすいのも嬉しい。
写真は人気のチーク類。〈パウダーブラッシュ¥5,000〉と、〈クリームブラッシュ¥3,500〉。パープルの〈クリームブラッシュ〉は、透明感のあるふんわりとしたお肌づくりに一役かうと美容業界でも人気です。
私は定期的に見直さないとすぐに流行遅れになりがちな眉毛を、この際、見ていただくことに。
カウンター裏には、3名ほど座れるメイクアップカウンターが。商品をチェックしている方とご対面してしまうかも?といった心配のない設計であることも素晴らしい。
使ったのはこちら。〈コントゥアリングパウダーアイブロウ¥4,500〉。
アイブロウカラー、そしてノーズシャドウがセットとなった贅沢なコンパクト。少し眉毛の下に影をつけるだけで、陰影がつき、ぶつ切れになりがちな目と眉毛、そして鼻のアイエリアに自然な共存感が生まれてしまうのです。
しかも、付属の3つのブラシの優秀なことといったら! このクオリティのブラシが付属されているのは国産ならでは。誰もが眉毛マスターになれてしまう。使い方をご指導いただけるので、忘れないうちにメモしておきたい。
そして、お買い上げした後のショッピングバックにまたびっくり!
なんてかわいいの!! こちらはGINZA SIXの〈メゾンデコルテ〉限定だそう。これならギフトでそのまま渡しても喜ばれそう。
すっかり、ご機嫌&お買い物スイッチが入ってしまった私メを待っていたのは「イソップ」。
スキンケアブランドを中心に、ユニセックスで使えるパーソナルケアやトラベルアイテム、そしてヘアケアアイテムなど色々と揃う。ペット用のシャンプーなどもお洒落で、以前ギフトにいただいたことがあるのだけど、自分で買うには高く、でもいただくと嬉しい、そんなアイテムが揃っているのも魅力です。
そろそろ友人のお誕生日も近いし…と、早めにチェック!
広々とした店内は、トラフ建築事務所とのコラボレーションで誕生。
築地も近い、ということもあり、波をイメージしているそう。また和の素材をモダンに取り入れ、有機的で独得な雰囲気を醸し出している。イソップは各店舗によって、空間デザインを変えていることもあり、クリエイティブな職業の方が参考に見に来ることも多いのも頷けます。
そんな中で目にとまったのが、〈オロウス アロマティック ルームスプレイ ¥5,100〉と3つのフレグランス。
カップルでも使いやすく、またユニセックスフレグランスの提案も気になるところ。
それと、見て! このシェービング3点セット。
いつも洗面台に出しっ放しで、いらっとさせられることも多いであろう、シェービングアイテムたち。それを見事にストレスから解放させるデザイン性はさすがイソップ。
写真左にころんと寝転んでいる〈ダブルエッジレイザー ¥11,800〉はハンドル部分は手磨きで仕上げられた3層メッキ、ヘッドはクロムメッキ、という手に心地のよい重さ。ハンドル刃を変えれば永続的に使え、ドイツ製メルクール社の替え刃が10個付き。しかも、シェービング ボウル(¥1,000)も販売しているので、そのまま3点セットで購入することも。
GINZA SIXの掲げるテーマ「Life at its best 最高に満たされた暮らし」は、単にクラスアップする、ということではなく、ひとつひとつ、その物に巡り合うまでにストーリーがあってこそ、より愛着が湧いてくるのではないでしょうか。出会うまで、そして出会ってからも…そんな物やコトが沢山待っているGINZA SIXは、足を運ぶほど魅了されます。今度は地下2Fのエノテカのワインスタンドで1杯飲んでから、ぶらぶらショッピングといきたい。あ、トリートメント前はさすがにまずいかしらね。
Text:Chiharu Nagatomi Photos:Tomoko Meguro Edit:Yuka Okada
GINZA SIX EDITORS Vol.33
永富 千晴
美容ジャーナリスト。ビューティジャーナリストとして各メディアで活動のほか、美容好きが集まるコミュニティclub C.を主宰。最新のコスメ情報はインスタ〈tokyo_beauty_news〉にて。自身のインスタは〈chiharunagatomi〉にてコツコツ更新中。Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中