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GINZA SIX EDITORS

ファッション、ジュエリー&ウォッチ、ライフスタイル、ビューティ、フード…。各ジャンルに精通する個性豊かなエディターたちが、GINZA SIXをぶらぶらと歩いて見つけた楽しみ方を綴ります。

Morning to Night! A Day’s Full Trio of Meals (and More) at GINZA SIX

小石原 はるか

1日いても飽きなさそう!
思えば、これがGINZA SIXを初めて訪れたときの第一印象でした。
ならば、1日みっちりぶらついちゃいましょう。
朝ごはんから、お昼ごはん、晩ごはんと、まとめてお世話になります!
という、夢の「GINZA SIX全没入コース」です。

朝ごはんをしっかり食べないとスイッチが入らない体質ゆえ、最初に向かうのは「HOUSE OF DIOR GINZA」。こちらは5フロアでディオールが提唱する「アール・ド・ヴィーヴル」、いわばライフスタイルを余すことなく伝える特別な空間。その中の4階に、“パティスリー界のピカソ”ことピエール・エルメとコラボレートした『Café Dior by Pierre Hermé』があるのです。しかもここ、GINZA SIXの中でも貴重な、朝食をいただけるお店。上品なディオールグレーのトーンでまとめられた空間に、パステルカラーの愛らしいチェアがアクセント。朝ごはんをいただく前から早くもうっとりです。

10時30分〜13時30分の間だけオーダーできる「プチデジュネ セット」2,400 円(以下全て税抜価格)は、アーモンドシロップとオレンジのフラワーウォーターを染み込ませて焼き上げた爽やかな香り漂う「ボストック」や、ブリオッシュを使ってふんわりリッチな風味のパンペルデュ(フレンチトースト)、ヨーグルトには、クランベリーと洋梨、ドライフルーツの自家製コンポート……と、目に華やか&舌に美味しいラインナップです(※内容が一部変更になる可能性あり)。

素敵なプレートもカトラリーも、当然ながらディオールのもの。世界で2店目、日本では初となる“ディオールで朝食を”が叶ってしまうスポットなのです。なお、店内で使われている食器類は、同じフロアで購入も可能。

一緒にいただくドリンクは、ソイミルクベースの「レ フランボワーズ エ ローズ」1,200円をチョイス。色合いからして、エルメさんらしさ満点だし、フランボワーズとローズの組み合わせは、ピエール・エルメの名作「イスパハン」を彷彿とさせる、華やかテイストです。

壁には、ムッシュ・ディオールのポートレイトやデザイン画も飾られて、目の保養ができてしまう素敵空間! 朝ごはんを食べに来るだけだとしても、ぜひドレスアップして訪れたい。デイタイムにはアーティスティックな「デセール ア ラシェット」(お皿に盛り付けたデザート)のほか、ドリンク、アルコールなどがいただけます。

この雰囲気にふさわしくエレガントに味わうべきところ、つい食欲が先行してしまい、大口開けておりまして恐縮です。フードライターの性(さが)が憎い……!

さて、ゆったり朝食をいただいた後、ひと息ついたらほどなくランチタイムです! 向かうは、オープン以来常に行列の絶えない、B2フードフロアにある『刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り』。庶民派お弁当の代表格である「海苔弁」の最高峰を目指すから「山登り」。志を表す、素晴らしきネーミングですね。

順番を待っている間、お弁当を作っている様子が見られるのも、こちらの楽しさ。ほら、刷毛でお醤油を海苔弁に! 店名に偽りなしです。海苔は、柔らかな一番摘みの有明海苔、しかも「青まぜ」と呼ばれる青海苔が付着したものを選び、自家製の割り醤油をたっぷり塗って仕上げます。

海苔弁は3種類。スタッフの方が詰めているおかずを凝視していると、どれも食べたくなってしまうのが人情。さて、今日はどれにしようかな……!?

無事入手した作りたてのお弁当を携えて登るは、「GINZA SIX」のいわば“最高峰”、屋上の「GIIZA SIXガーデン」です。銀座のど真ん中にいることを忘れてしまいそうなお庭は、森林ゾーン、水盤ゾーン、芝生ゾーン、回遊広場から成り、エリアごとに違った表情を見せてくれます。カワヅザクラをはじめ、開花時期が異なるサクラも数種類植えられていて、特に春先は訪れるごとに異なった表情で楽しませてくれます。

絞りきれず、結局3種類をコンプリート。食い意地を発揮してしまいました……。お弁当箱からはみ出しそうなくらい立派な鮭とちくわの磯辺揚げ(大好物!)がどーんと乗っかった「海」、塩麹を揉み込んで柔らかく仕上げた鶏の照り焼きと味付きのゆで卵がうれしい「山」、そして、れんこん大葉もちを主役に舞茸の天ぷらや炒り豆腐と、畑の恵みがぎゅと詰まった「畑(各1,080円)。」一言に「海苔弁」といっても、おかずのバリエーションでガラッと印象が変わります。

晴天の空の下、大口開けて食べる海苔弁は格別ですね! お醤油がしみた海苔とごはん、手作りのあたたかみのあるおかずを堪能し、気持ちよくお弁当を平らげたら、晩ごはんまではひたすらGINZA SIX内をぶらぶら楽しみます。6F「銀座 蔦屋書店」で気になっている書籍や雑誌をチェックしたり、ファッションフロアで春物を物色したり(散財注意!)。あとは、B1Fのビューティフロアをくまなくパトロールすれば、新色や限定品チェックも捗ります。ヘアサロンやコスメブランドのトリートメントブースでメンテナンス、もアリですね。予約しておけばよかった!

夕暮れ時、そろそろお腹が空いてきました! 最近、スパイスの組み合わせ方や効能に関心が高まり、ときどきインド料理教室に通うほどカレー愛が“増し増し”なので、今日は6Fにある『Tamalind』へ。リッチな北インド料理と、サラリとしていてスパイスがシャープに効く南インド料理の両方をいただける、貴重なお店です。

キッチンではちょうど「ルマリロティ」というハンカチのように極薄の生地のパンを製作中。生地を宙に放り投げては拳で伸ばして、形を整えています。

お店いちおしのアペタイザーが「パーニープーリー」600円。屋台の定番スナックとのことなので、サクッと揚がった球状の生地の中にポテトとオニオンが入っていて、これに下の液体を注ぎ入れてパクッと食べる、というもの。上手に食べるのは少々コツが要りそうですが、コリアンダーとミントの風味で食べると一気に胃がスッキリ。さあ、カレーを迎え入れる準備は万端です!

「インドではあまりカニは食べないのですが、海老によく合うバターマサラの味はカニにもぴったりなはずと思って」と考案したという「カニのバターマサラ」1,600円(4本)。北インド系の濃厚なソースをカニの爪にたっぷりと絡めて……、なるほど、これはたしかにぴったり!

主役の「タマリンドミールス」2,200円は、南インドの料理で構成。チキン・マトン・海老のカレーに、サンバル(豆と野菜のサラリとしたカレー)、ラッサム(酸味のあるスパイシーなスープ)という“汁物”チームに合わせるは、プーリー(揚げパン)にパパド(豆粉の薄いおせんべい)、ワダ(揚げドーナッツ)etc.の“炭水化物”チームもズラリと。さらに、カラフルなピクルスが彩りを添えてくれます。

ミールスは、いわば「定食」。カレーと炭水化物類の組み合わせをあれこれ試したり、合間にラッサムやピクルスで口をさっぱりさせてもいいし、更に言うなら、色々混ぜ合わせて食べても味が重層的になって美味しい。たくさんのものがプレートに乗っていると、どれとどれを組み合わせるの!? と迷ってしまいそうになるけれど、自由に楽しめばOK!なのですね。

Text:Haruka Koishihara Photos:Kayoko Ueda Edit:Yuka Okada

GINZA SIX EDITORS Vol.34

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小石原 はるか

フードライター。1972年生まれ。雑誌を中心に食の記事を執筆。また、雑誌「東京カレンダー」コントリビューティングエディターでもある。近著に『自分史上最多ごはん』(マガジンハウス)。
Instagram GINZASIX_OFFICIALにて配信中

カフェ ディオール バイ ピエール・エルメ(ハウス オブ ディオール ギンザ 4F)

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刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り

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タマリンド

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2018.03.19 UP

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