特集「アートとモダンラグジュアリーの最前線をスタディする」 GINZA SIX magazine｜The Study Edition

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GINZA SIX magazine Spring-Summer 2024｜The Study Edition
特集「アートとモダンラグジュアリーの最前線をスタディする」
Insights into Leading-Edge Art and Modern Luxury

2024年4月18日(木)から館内にて配布中
※無くなり次第終了となります
※5/3（金）より、GINZA SIX WEBサイトでも順次公開予定！

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※軽量版はこちらから(PDF)

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Editor’ s Letter｜一冊に寄せて

2023年の初夏、写真家のマリオ・ソレンティに俳優の佐藤健さんを撮影いただいたGINZASIXとは別のプロジェクトの展示のため、十数年ぶりに香港を訪れました。

加えて昨年は、台湾やソウル、ベトナムなど他のアジアも集中して再訪する機会があったなかで、かつてはイギリスの植民地でもあったこともありクラスが存在して長い香港に関しては、その喧騒の先でVIPを肯定する文化や場所が受け継がれ、世代や金満にとらわれることのない新しいラグジュアリーを欲し続ける人々に向けたコンテンツが確かに更新されているように感じられました。

一方でコロナ禍に誕生した美術館「M+」のスケールや、その最上階に位置するパトロンや限られたメンバーのためのエクスクルーシブなラウンジ、それこそモダンラグジュアリーなコミュニティにも圧倒され、政治情勢と折り合いを付けながらアートを通した香港という都市の存在感をまだまだグローバルに確固たるものにしようという逞しさに、ある種の敗北感を味わったのも事実です。

そうして香港にどうも宿題を残してきた気分でいた矢先、やはり昨年にGINZA SIXが提携し、双方のVIPが互いにサービスを共有できるアジアの商業施設のひとつ「LANDMARK HONG KONG」が、かつての会員制フロアをアートともコミットしつつ、より軽やかなコンセプトで十数年ぶりにリニューアルしたことを知りました。そこからGINZA SIXの二大ミッションといえるアートとラグジュアリー、その最前線をスタディしてみようというテーマを発想し、“The Study Edition”として香港での一部取材も盛り込んだ今号の輪郭が形づくられていきました。

結果、今回の一冊でGINZA SIX magazineが取材やインタビューを通して学びを求めた国内外の“先生”たちから、テーマに寄り添っていただいたGINZA SIXのブランドまで、オリジナルなラインナップを叶えることができました。なかでも、国際的なアートアドバイザリーファーム「Art Intelligence Global」の共同設立者として香港とニューヨークの2拠点でビジネスを展開する寺瀬由紀さんが言い得た「外を知らなければ、日本の良さも強みもわからない。作家もコレクターも、海外に出て自分の目で作品を感じることが大事で、そこに近道はない」という言葉は、アートの世界に限らず、日本における多くの分野や構造、クリエイティブファームやインディビジュアルが自覚すべきタスクでもあると感じてやみません。

そういう意味で今号では、ベテランのプロフェッショナルはもちろん、いわゆる贅沢を当たり前としない、けれどもアーティストの友人がいてギャラリーのカルチャーなどには構えずとも馴染んできたジェネレーションやチームに、あらためてアートとラグジュアリーに立ち向かってもらい、つまりは新たな世界を意図して覗いてもらいながら、彼らとしての言葉やビジュアルにしてもらうことに努めました。そんなつくり方を試行錯誤するなかで、やはり下の世代のGINZA SIXの担当者や今マガジンのアートディレクターが香港での取材にほとんど個人的に合流してくださり、「自分たちの目で感じ取る」時間を共にもてたこと。そして、5月にはGINZA SIX magazineの定期刊行化12号目にして、一部のコンテンツを紹介した英語版を創刊させていただくことに至ったこれまでの多くの方々のお力を、有り難く振り返ります。

なお、表紙に掲げた “Insights into Leading-Edge Art and Modern Luxury”の “Insight”には、「洞察」というニュアンスがあります。アートとラグジュアリーを、海外と日本を、自分とその役割を、もっと見通すことができる豊かな眼を。最短距離ではない経験を真剣に欲しながら、皆様とも互いに、極めていくことができたらと願っています。

GINZA SIX magazine 編集長
岡田有加

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